2003年3月3日(月)「しんぶん赤旗」
日本湿地ネットワーク(辻淳夫代表)は一日、泡瀬(沖縄)、諫早(長崎)、セマングム(韓国)の三つの干潟に焦点を当てた国際湿地シンポジウムを福岡市で開き、日韓の研究者、NGO(非政府組織)メンバーら五十人が参加し、両国の湿地の現状と課題を報告しました。また、日韓両国にこの三つの干潟での乱開発中止を求める決議を採択しました。
この三つの干潟は、昨年のラムサール条約締約国会議(バレンシア会議)時に開かれた世界のNGOプレ会議が特別に固有名詞をあげて保全の必要性を求めています。
辻代表は「世界の流れは森から海まで水系全体を総合的に保全する方向だ。しかも残った自然の保全から失われたものの復元にすすんでいる」とのべました。
韓国のチョ・キョンマン氏(木浦大歴史文化学部教授)、ミョン・ホ氏(韓国環境運動連合)がセマングムの現状を報告。盧武鉉(ノ・ムヒョン)新大統領が干拓継続を表明したことを批判し「過去の間違った政策をあらためることが必要」と指摘しました。
飯島博氏は「アサザプロジェクト」について報告。霞ケ浦(茨城)で、市民や農林水産業、学校が参加した「市民型公共事業」によって、自然の湖岸植生帯を回復し、水質浄化や環境教育などを一体でとりくんでいるとのべました。