2003年3月2日(日)「しんぶん赤旗」
二〇〇三年度予算案をめぐり、国会では与党側が、三日の衆院予算委員会での採決、本会議上程を委員長の職権で強行決定。同日にも衆院通過を図る構えで、与野党の攻防が続きます。
予算案に関連して、イラク問題や雇用・経済問題、国民負担増問題など審議・解明すべき問題は山積しています。日本共産党など野党四党の書記局長・幹事長は二月二十七日、医療費のサラリーマン本人三割負担の凍結実現をはじめ、大島理森農水相にかかわる一連の疑惑や、刑務所問題での法務省の人権侵害と隠ぺい体質問題の真相解明と責任追及で一致しています。
とくに大島農水相が衆院法制局に疑惑逃れの答弁まで作成させていた問題は、立法府と行政府のあり方にもかかわる深刻な問題となっています。
三日の衆院予算委員会は、小泉純一郎首相が出席して、午前中にイラク問題での集中審議、午後に締めくくり総括質疑を行います。その後、本会議を開催し、深夜まで議論を行います。
予算案は、衆院通過後、論戦の舞台が参院に移ります。三日に衆院を通過すると、参院予算委員会は、翌四日から小泉純一郎首相はじめ全閣僚出席の総括質疑を二日間にわたって行います。二日目には、日本共産党から筆坂秀世政策委員長が質問に立つ予定です。
医療費のサラリーマン本人三割負担を凍結する問題は、四月一日からの負担増実施を控え、野党四党が提出した三割負担凍結法案が焦点となります。再三にわたる審議要求を与党側は拒否。野党四党は国民世論にこたえ負担増の凍結実現を求める集会を三日に国会内で開きます。日本共産党から志位和夫委員長が出席します。街頭でも、今週中に野党四党の代表者が、負担増凍結を訴えます。
深刻な経済状況の中で、日本銀行の総裁人事に注目が集まっています。政府は福井俊彦氏を総裁にあてる人事案を国会に内示。内閣が任命する日銀総裁・副総裁は国会の同意が必要とした一九九八年の日銀法改定以来、初の総裁人事となることをふまえ、野党側は、総裁・副総裁候補を国会に招致して、所信を聞くことを求めています。