2003年3月1日(土)「しんぶん赤旗」
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片山虎之助総務相は二十八日、一定人口に満たない小規模町村の権限を一律に奪ってしまう地方制度調査会の西尾勝副会長「私案」について、「私も一律にというところにびっくりした。ドラスティックで極端な考え方」とのべました。
衆院予算委員会第二分科会で日本共産党の春名真章議員の質問に答えたもの。
西尾私案は、一定人口に満たない町村は権限をはく奪したり、近隣自治体に強制的に編入してなくしてしまうもの。
現場では既定方針のように扱われ、合併に追いたてるてこにもなっています。
春名氏は、憲法が定める「地方自治の本旨」とは、住民が首長や議員を選んで自ら治める「住民自治」と、自治体が独自に意思決定する「団体自治」からなっていると指摘。片山総務相は「その通り」と認め、「団体自治、住民自治をより拡充していく」とのべました。
春名氏は、自治体の意思決定にかかわりなく、人口規模を決めて一律に権限を取り上げたり、強制編入する西尾私案は、「団体自治の否定そのもので、地方自治の本旨に反する。『たたき台』として検討の俎上(そじょう)にのせるべきものではない」とのべました。
西尾私案を合併推進のてこに使うのはやめて、同案に反対している町村会や町村議長会などの意向を最大限尊重すべきだと求めました。
片山総務相は「西尾私案は法律でも何でもない。単なる試案、考え方」とのべ、町村会などの「意向を尊重するのは当たり前」と答えました。