2003年2月22日(土)「しんぶん赤旗」
労働政策審議会は二十一日、坂口力厚労相が諮問していた労働者派遣法「改正」法案要綱について「おおむね妥当」とする答申をだしました。当該の民間労働力需給制度部会の労働者委員から「必要な対応・手当てなしに『妥当と認める』とすることはできない」との意見書が提出されています。
同法案要綱は、これまで除外されてきた製造現場への派遣を解禁するほか、派遣期間は現行一年を三年に延長、専門的な二十六業務等については現行三年とした通達を廃止して無期限にする内容。小泉首相の「規制改革推進三カ年計画」にもとづくものです。
労働者委員の意見書は、派遣労働者と派遣先の他の労働者との均等待遇や派遣先使用者責任の強化が重要とし、「引き続き十分な検討を行うことが必要」とのべています。
具体的には、リストラ後一定期間は派遣受け入れを禁止する、使用者の責務を明確にする、請負労働者を保護するガイドラインの作成などを求めています。
厚生労働省は三月上旬にも国会に法案を提出する見通しです。
労働者派遣の適用除外となっている医療従事者について、身体障害者療護施設や特別養護老人ホームなど、社会福祉施設に設けられた診療所の場合は、派遣解禁とすることをきめました。国会審議を経ずに、省令「改正」によって来月末に施行する予定です。