2003年2月18日(火)「しんぶん赤旗」
世界で多くの著名な人たちが対イラク戦争反対の声をあげています。仏紙ルモンドは、フランスの著名なシャンソン歌手ジュリエット・グレコさん(十二日付)、映画監督のクロード・ランツマン氏(十一日付)の声を紹介しています。
グレコさんは、「戦争を起こそうとしている米国の主張には何らの確かな根拠も証拠もない」「たとえサダム・フセインが大量破壊兵器を持っているという証拠が出されて、同じ大量破壊兵器で数千人もの人々を殺す必要があるのかどうか」とイラク攻撃反対の理由を語ります。
また、「米国人の大多数派は、いわゆる『予防戦争』を認めているなどと新聞に書かれていても私は納得がいかない」とのべ、戦争が「もし起きれば、最近証言がでているような生涯かたわになった兵士たちが出た湾岸戦争以上に米国人にとって厳しい結果をもたらす危険がある」として、「このような戦争を、米国民の多くの意見も聞かずに米大統領が決定するようなことがあってはならない」と強調しました。
ランツマン氏は、「サダム・フセイン(イラク大統領)は大量殺人者だ。クルド人に対して行ったことは残虐極まるものだ」と述べながら、「イラクの独裁者が世界にとって本当に脅威になっているとは思えない。米国はあたかも地球の憲兵のように振る舞っている」と語ります。
同氏は、「独裁者を排除するために一国を破壊するというようなことは、私にはがまんができない」とものべ、「ショア(ナチス・ドイツのユダヤ人大虐殺)の後、『あんなことは二度とあってはならない』といわれ、人道的介入という考えが生まれました」が、「そこに人道と戦争の混合が生じ得るというよこしまな効果も伴った」と指摘。「この戦争が米国の刑務所で不可避の死を待つ人たちに対する(死刑)執行のように宣告される」ことに警告しました。