2003年2月14日(金)「しんぶん赤旗」
ロイター電によるとドイツで開催中のベルリン映画祭に参加している米国の著名な映画監督や俳優が、ブッシュ米政権の対イラク戦争推進の政策に反対の声をあげています。
映画「マルコムX」のスパイク・リー監督は十二日、「9・11テロ事件」後のニューヨークを描いた自作「二十五時間」公開後の記者会見で「それ(イラク問題)について考える時、ドイツとフランスの政府こそ称賛されるべきだ」と発言、こう述べました。
「非常に多くの人びとが、ブッシュと英国のブレア(首相)に驚いている。米国には他国の人びとに何をすべきかを語る倫理上の権利はない。全世界に同調しろというのは、だまって従えということだ。もっと多くの人びとが反対に立ち上がるものと期待する」
リー氏の発言は、出席した三百人のジャーナリストの多くから拍手喝さいをあびました。
「二十五時間」の主演俳優エドワード・ノートン氏は、「世界の人びとが声をあげ米政府に圧力を加えるよう望む。米政府の一国行動主義には幻滅する。彼らには理性的な手順が不十分だ」と発言、「ドイツやフランスでは国民の誰もが政府と同じ考えだ」と語りました。
「クレイマー、クレイマー」の主演俳優ダスティン・ホフマン氏は十一日の夕食会で、「私は反米ではないが、現政権の政策に反対する。直接的な脅威がないのに、なぜ侵略するのか?」と述べました。
また「タクシードライバー」や「ギャング・オブ・ニューヨーク」のマーチン・スコセッシ監督も「暴力は世界を変えられないし、たとえ変えてもまったく一時的なものだということを悟らねばならない」と米政権を批判しました。