2003年2月12日(水)「しんぶん赤旗」
三井造船から新型ごみ処理施設の受注工作を依頼された下請け機械メーカー(本社、東京・品川区)が、村田敬次郎前自民党衆院議員・元通産相(衆院愛知県第十五選挙区)の資金管理団体と同氏の政党支部に計百万円を献金していたことがわかりました。三井造船は、この献金時期をはさむ一九九八年に村田氏の選挙区である愛知県豊橋市のごみ焼却施設を随意契約で受注していました。
豊橋市議会は十日に調査特別委員会を設置、調査を始めています。
この機械メーカーは三井造船と契約を結び、受注成功の報酬として三年間に総額六億円を受け取ったことを認めました。同社の社長は三井造船が受注した福岡県内のごみ処理施設をめぐり、地元対策を元自民党衆院議員秘書に依頼。この元秘書が役員をつとめる会社に約三億五千万円を振り込んだ、と話しました。
愛知県豊橋市では、同市がごみ焼却施設「資源化センター」を九八年に随意契約で三井造船に発注。同社社長は地元の元自民党議員秘書と面識があることは認めており、真相解明が重要になっています。
政治資金収支報告書によると、機械メーカーは九六年七月、村田氏の資金管理団体「青波会」に五十万円を献金。二〇〇〇年二月にも村田氏が代表だった自民党愛知県第十五選挙区支部に五十万円を献金しました。村田氏は、献金後の総選挙には出馬せず、同年六月、後継者の山本明彦自民党衆院議員と支部代表者を交代しています。
資源化センターについては、同市の早川勝市長が九七年二月に突然、従来型ではないガス化溶融炉方式と呼ばれる新型炉の導入を表明。当時、この技術を持っていたのは三井造船だけでした。三井造船の社員が受注前、豊橋市の自民党系市議四人のドイツ視察に同行していたことも明らかになっています。
本紙は、村田前議員にたいし家族を通じて内容を伝えて取材を申し込みましたが、同氏は「返事はしない」と回答してきました。
この下請け機械メーカーは、自民党大阪府連幹事長の松室猛府議の資金管理団体「松栄政経懇話会」にも、九八年、九九年に各十二万円、計二十四万円を献金していました。
同府議の選挙区(池田市)は、三井造船が受注し、ダイオキシン汚染が大問題になった焼却場施設、「豊能郡美化センター」があった能勢町の隣です。