2003年2月8日(土)「しんぶん赤旗」
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日本のものづくりを支える中小企業への技術開発予算は、来年度の政府技術開発予算の2%以下しかなく、施策が特定大企業の競争力強化に集中していることが、日本共産党の塩川鉄也衆院議員の調査で分かりました。
経済産業省は、「産業競争力を強化するため」として、産業技術開発関連予算に今年度比1・1%増の六千三十九億円を計上。初めて六千億円の大台を超えました。ところが、中小企業庁が管轄する中小企業への技術関連予算は百五億円で、全体の2%にも満たない1・7%にとどまっています。
大企業の無秩序な海外進出、リストラ・下請け切り捨てで、地域経済は大きな打撃を受け、ものづくりの基盤そのものの崩壊が懸念されています。ところが小泉内閣は、中小企業に光をあて、ものづくりの基盤を維持・発展させるのではなく、特定大企業の競争力強化に施策を重点化しています。とくに短期間(三−五年間)で実用化・事業化に直結する研究開発プロジェクトに政策を集中しています。「フォーカス21」と名づけられた重点四分野(ライフサイエンス、情報通信、環境、ナノテクノロジー・材料)のプロジェクトには三百六十七億円を計上しています。
情報通信分野で四十五・五億円の予算が確保されている「次世代半導体材料・プロセス基盤プロジェクト」(MIRAI)には、富士通、日立製作所、松下電器、三菱電機、三洋電機、東芝、NECなどの大企業や外資のインテルも参加。特定大企業のビジネスに直結する技術開発に巨額の税金を投入するものです。