2003年2月8日(土)「しんぶん赤旗」

日高横断道　建設を凍結

北海道知事が正式表明

日高横断道路の建設現場。路肩の崩落が続いています＝昨年８月、北海道静内町

　北海道の堀達也知事は七日、記者会見し、日高山脈の貴重な自然を破壊する無駄な大型公共事業として批判を浴びている日高横断道路（道道静内中札内線）の建設凍結を正式に表明しました。

　記者会見で堀知事は「道管理区間の未改良区間においては当分新規の改築工事は行わない」と明言。国の開発道路区間については「再評価を含めた検討を国に要請していきたい」と述べました。同日発表した二〇〇三年度道予算案でも同道路の新規着工部分についてはゼロ査定となりました。

　日高横断道路（全長約百一�`）は一九八四年に着工が決定されましたが、けわしい地形と崩れやすい地質に阻まれて工事は難航。国、道あわせてこれまで五百四十億円をつぎ込んだものの、開通までにはさらに国、道あわせて九百八十億円が必要とされています。

　堀知事は昨年六月、日本共産党道議団の追及に、建設「見直し」を表明。同九月から道政策評価委員会が工事の是非について検討作業を進め、今月三日に建設凍結を盛り込んだ意見書を知事に提出しました。

　今回の知事表明について日本共産党の大橋晃道議団長は「凍結表明は日本共産党と自然保護団体の長年にわたる運動の成果です。しかし、『凍結』ということで将来の再開の可能性を残した点で不十分さが残ります。日本共産党は今後も完全中止を求めていきたい」と語りました。