2003年2月5日(水)「しんぶん赤旗」
第二期中央教育審議会(文科相の諮問機関)は新たな委員で初めての総会を開きました。今後、教育基本法の見直しについて、教育の基本理念、前文、宗教教育についてなど論議し、三月をめどに最終答申を出します。あいさつに立った河村建夫文科副大臣は「今国会の後半において、法案として提出したいと政府も考えている」と中教審の席で初めて明言しました。
総会は、鳥居泰彦・慶応義塾学事顧問を会長に再任しました。
総会につづいて開かれた基本問題部会(鳥居泰彦部会長)では、教育基本法の前文について、前文をなくすという考え方も含めて議論。前文は必要だという意見が大勢を占めました。
議論のなかでは、「前文の第一段落(別項)はいらない。敗戦ショックという制定時の時代風潮が色濃く、それを克服しなければならない」として、戦前の教育への反省を踏まえた制定の過程を示す部分をなくすよう求める意見が出たほか、「前文に民主主義や国際的貢献などを書いておけば、条文で愛国心と書いても誤解されない」など、かなりの書き直しを求める意見がでました。
一月まで文部科学事務次官だった小野元之氏が、基本問題部会に新しく臨時委員として入っています。
◇
教育基本法前文第一段落 われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。