2003年2月1日(土)「しんぶん赤旗」
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【パリ30日浅田信幸】欧州連合(EU)の諮問機関である欧州議会と、欧州統合の達成、議会制民主主義の推進などを掲げる欧州会議総会が三十日、相次いで対イラク戦争に反対する決議を採択しました。戦争推進派に対する重要な反撃となっています。
欧州議会の決議は、イラク問題について「あらゆる一方的な軍事行動に反対」を表明し、賛成二八七、反対二〇九、棄権二六で採択されました。
決議は「(国連)査官によって明らかにされた安保理決議一四四一違反は、軍事行動の始動を正当化しない」「いっさいの新たな行動は、情勢の全面的な評価ののち、国連安保理によってとられなければならない」との立場を表明しています。
一方、欧州会議総会の決議は「現在の状況のもとで、イラクに対し武力に訴えることは正当化できない」「米国が、武力行使を容認する明示的な安保理決議がなくても一方的な行動に移る用意があると宣言したことに、重大な懸念をもって留意する」としています。賛成一四六、反対七、棄権四の圧倒的多数で採択されました。
欧州会議 一九四九年、欧州統合の達成、社会進歩の促進、議会制民主主義、人権保護、法の支配の原則確立をめざして設立され、現在加盟国は四十四カ国。総会は、加盟各国議会から政党比に応じて選出された議員で構成されます。欧州連合(EU)とは別の組織です。
欧州議会 欧州連合の諮問機関で、各国で選出された議員で構成。予算承認権、欧州委員の一括承認があり、特定分野の法案の提案を理事会とともに受ける共同決定権も獲得しています。