日本共産党

2003年1月31日(金)「しんぶん赤旗」

補正予算案に対する

井上哲士議員の反対討論

参院予算委


 日本共産党の井上哲士議員が三十日の参院予算委員会でおこなった二〇〇二年度補正予算案についての反対討論(要旨)は次の通りです。

 小泉内閣は、不良債権早期最終処理による倒産・失業の増大と国民負担増によりいっそう景気を悪化させました。その結果、二兆五千億円もの税収不足を招く一方、従来型のムダ遣いを重ね、今年度の国債発行額は三十五兆円に達しました。まさに本補正予算は、どの面から見ても小泉内閣の破たんを示したものにほかなりません。

 反対の理由の第一は、本補正予算には、景気回復のために一番肝心な、冷え込んだ個人消費を温める抜本策がまったく欠けていることです。

 いまなすべきことは、社会保障の改悪と庶民増税による四兆円もの国民負担増を中止し、国民の暮らしをあたため、失業者の生活支援の拡充や中小企業を応援する緊急対策をただちに実行することです。

 反対の理由の第二は、本補正予算案が、政府自ら不良債権早期処理の加速で大量の倒産・失業を生み出しておきながら、その対策をとるという支離滅裂なものだからです。いくらセーフティーネットをうたっても不良債権処理の加速がもたらす猛烈な貸し渋り、貸しはがしや大量の倒産・失業に対応しきれないことは明らかです。中小企業対策、雇用対策というのなら、まず、政府の不良債権処理加速策そのものをやめるべきであります。

 反対の理由の第三は、旧来型の大型公共工事のばらまきが続けられていることです。

 総理は、本年度当初予算で公共事業費を一割削減したことを「改革の成果」だとしていましたが、本補正予算案で公共事業に一兆五千億円も投入し、公共事業費は逆に前年度より増大しました。わが党が明らかにしたように関空の第二期工事などムダな大型公共工事が続けられるおおもとに、受注企業から与党議員への政治献金があることは重大であり、公共事業受注企業からの政治献金は直ちに禁止すべきであります。

 以上、反対の理由を述べ、討論を終わります。


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