日本共産党

2003年1月31日(金)「しんぶん赤旗」

論戦ハイライト

米にイラク攻撃放棄要求を

参院予算委で小泉議員追及


 日本共産党の小泉親司議員は、三十日の参院予算委員会でイラク問題をめぐって、政府の姿勢を追及しました。

小泉議員「武力威嚇認めるのか」
首相「軍事的圧力が必要だ」

 イラクへの査察が継続中に、空母部隊などをイラク周辺に送り込んでいる米国。緊迫するイラク情勢について、小泉議員は「イラクには査察の完全な実施を求め、米国には国連を無視した一方的な武力行使の計画は放棄すべきだと強く求めることがいま大事だ」とただしました。

 査察の継続を「注意深く見守る」とのべた小泉首相ですが、武力行使についてはかたくなにアメリカを弁護するばかり。

 小泉議員 (米国は)軍事的な威嚇を強めている。米国に首相はものを言わないのか。

 首相 軍事的な圧力をかけないとイラクは国連決議を守らないだろうということの一環だ。

 小泉議員 たいへんなことだ。武力による威嚇を認めるのか。

 首相 アメリカが独自に考えていることだ。イラクにどのように国連決議を守らせるかの一環だ。

 小泉首相は、戦争計画の放棄を迫るどころか、軍事的威嚇を容認しました。

 ブッシュ米大統領が「イラクが大量破壊兵器を廃棄しないなら、友好国を率いて武装解除する」(一般教書演説、二十八日)と公言していると指摘した小泉議員。「国連憲章とイラクへの査察を決めた安保理決議の枠内で平和的解決をはかるべきだ」として、「アメリカのイラク攻撃をやめさせるため、ものをいうべきだ」と批判しました。

小泉議員「支援は特措法違反だ」
石破長官「議論に意味あるのか」

 イラク戦争の回避が焦点なのに、小泉内閣はテロ対策特別措置法で、イージス艦をインド洋に派遣。米軍の補給艦への燃料補給は七十四回を数えます。

 小泉議員は、昨年十一月の日米調整委員会で、米側は、インド洋での米軍艦船の任務に、アフガニスタンへの軍事支援とともに、「イラクに対する海上阻止活動」をあげていることを指摘。

 また、米海軍のホームページには、アフガンでの戦闘が終息した昨年九月以降、米海軍のほとんどの艦船が(1)アフガン報復戦争の支援である「不朽の自由作戦」(2)イラクへの空爆を伴う「サザンウオッチ作戦」という二つの任務をあわせもっていると明記しています。

 自衛隊は、このイラク、アフガンと両方への軍事活動を行う米軍艦船に燃料補給を行うことになります。

 小泉議員 給油で、これはアフガン用、これはイラク用と油の切り分けができるのか。

 石破茂防衛庁長官

 たしかに、油に色がついているわけではない。しかし、米軍がテロ特措法の目的外には使わないと明言している。分からないと言ってしまえばそれまでだが、分からないからこそ(米側を)信用する。信頼関係とはそういうものだ。

 イラク攻撃には参加しないという、みずから制定した法の趣旨を踏み破ってまでも「対米支援」につきすすむ姿勢です。

 弁明が苦しくなった石破長官は「サザンウオッチ作戦に使われたか使われないか、その議論にどれぐらいの意味があるのか」と居直る始末。イラクへの軍事行動に参加しているのではないかという重大問題なのに、「意味があるのか」と大臣の資格にもかかわる発言。委員会室は騒然となって、審議が中断しました。

 委員長席に集まった各会派の理事で、石破発言を先頭にたってかばったのが公明党理事。「議論は成り立っている」とさかんに弁護し、審議再開を迫りました。

 小泉議員 イラクでの軍事支援に間接的に使われているではないか。テロ特措法違反だ。

 首相 アメリカも日本のテロ特措法の趣旨を十分わきまえている。

 小泉議員 事実関係ぐらい確かめたらどうか。

 石破長官 末端まで事実関係を確認せよという指摘だが、信頼関係はそういうものではない。

 事実確認さえ拒否する態度に、アメリカべったりの小泉内閣の姿勢がくっきり浮かび上がりました。小泉議員は「イラク攻撃への軍事支援はやめるべきだ」と強調し、自衛隊の撤退を重ねて求めました。


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