2003年1月28日(火)「しんぶん赤旗」
公的資金投入行の中小企業向け貸し出し 「増加」どころか大幅「減少」 ▲は減少
吉井英勝議員調べ |
日本共産党の吉井英勝議員は二十七日の衆院予算委員会で、公的資金を投入された銀行からの中小企業向け貸し出しが大幅に減少していることを示し、「大手銀行の貸しはがしをやめさせなければ、増加計画の達成は不可能だ」と主張しました。
公的資金の投入を受けた銀行は貸し渋りなどがおこらないように、中小企業向け融資の増額を義務付けられています。ところが、昨年九月の決算期では、この増加計画を約十兆円も下回りました(表)。
吉井氏は、「昨年九月の実績を見て、銀行の貸しはがしをやめさせるためにどのような取り組みをおこなったのか」と追及。竹中平蔵金融・経済担当相は、「(銀行からの)報告状況を精査し、厳正に対処する」と述べるだけで、具体策は示せませんでした。
吉井氏は、みずほ、UFJ、三井住友、東京三菱の四大金融グループすべてが内部マニュアルを作成して中小企業に貸しはがし、金利引き上げまで迫っていることを指摘。「金融庁がこれを見逃していては、銀行の貸しはがしをやめさせることはできない」と是正指導を重ねて要求しました。
竹中金融・経済担当相は、「適切なリスク管理をおこなってこそ銀行は健全性を確保できる」と答弁し、大手銀行の貸しはがしを弁護しました。