2003年1月27日(月)「しんぶん赤旗」
承認発売後五カ月で百二十四人もの死亡者を出した抗がん剤「イレッサ」(一般名ゲフィチニブ)の承認過程について、坂口力厚労相が国会で検証を約束しながら見送りを決めていたことが二十六日までに分かりました。
昨年十二月十二日の参院厚生労働委員会で、日本共産党の小池晃参院議員が「厚生労働省の責任が問われている」と審査・承認過程についての検証を要求。同相は「副作用が出ているということが多ければ、当然のことながらこれはすぐに検証をしたい」と答弁しました。
ところが厚労省は、同月二十五日に開かれた「専門家による検討会で問題点が指摘されなかった」ことを理由に「検証しないことにした」といいます。同省の審査管理課は「審査過程については何も指摘がなかった。問題があったならば議論されたはずで、(検証を)見送った」といいます。
小池参院議員は「イレッサは、今後の新薬審査のモデルとしてスピード承認し、最悪の被害をだしたのだから、その過程の検証は最低限のこと。それなのに国会での約束すらほごにする。厚労省に怒りを覚える」と話しています。