2003年1月25日(土)「しんぶん赤旗」
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田中康夫知事が昨年十二月、同和運動団体への委託金や補助金を「二〇〇四年までに全廃したい」と表明していた長野県で、「解同」(部落解放同盟)がまき返しに躍起です。これに田中知事は、きぜんと廃止の方針を貫いています。
二十二日には、「解同」長野県連が要請して、長野市・労働会館で田中知事との懇談が行われました。会場にはゼッケンを着けた百人以上の「解同」支部員。「差別があるのかないのか」「どう思っているのか」など「激しい怒号が飛び交い、一時騒然」(「信濃毎日」二十三日付)となりました。
田中知事は「あらゆる差別と同じように解決を図る」との一貫した姿勢を示し、「解同」側が懇談を打ち切る事態に。
「解同」は翌二十三日、「抗議集会」を開いて田中知事に抗議文を突き付けました。記者会見では「田中知事に、部落差別があるのかないのか、県の部落解放審議会答申を尊重して行うのか行わないのか問うていく」と事実上の“闘争宣言”。
「解同」がよりどころにする「部落解放審議会」とは、竹内久幸県議=社会県民連合(社民党)=が会長の知事の諮問機関。「答申」は「差別事象は依然としてあとを絶たない」として同和事業を求めています。
長野県の同和事業をめぐっては昨年十月、日本共産党の石坂千穂県議が不公正な実態を追及。「解同」県連に補助金や委託料として六千九百万円余が支出されていたのをはじめ、同副委員長ら役員十三人が経営指導員・補助員を「兼務」し、商工予算から九千二百万円が補助されていたことなどが判明。
石坂県議が「一日も早い終結」を求め、田中知事が「迅速な対応」を約束していました。