2003年1月24日(金)「しんぶん赤旗」
京都市が同和対策事業として「解同」(部落解放同盟)京都市協の十支部に支出した助成金のうち、約四千四百万円が不正支出にあたるとして、市民や弁護士らが二十三日、詐欺の疑いで当時の市職員三十人と「解同」支部長ら十人にたいする告発状を京都地検に提出しました。
この問題は、「解同」支部が実施した宿泊をともなう「同和学習事業」への助成金をめぐり市民が違法な支出だとして助成金の返還を求めた裁判で、京都地裁による各宿泊先にたいする嘱託調査の結果、「百四人の宿泊学習会はカラ事業だった」「実際の参加は二十六人だったのに百四十六人宿泊と水増し」「学習といいながらコンパニオンを迎えた麻雀宴会」など、異常な実態が判明していたものです。
この問題で、同市は、実際には行われなかった事業が十六件あり、計六百八十万円が不正受給に当たるとする中間報告をまとめており、杉原和彦文化市民局長は「当時の経過や背景を把握し、原因を究明したい」との見解を発表しました。
「解同」京都府連合会(大野昭則委員長)は二十二日の記者会見で、不適切な運用があったことを認め、「徹底的に調査し、不正受給がはっきりすれば返還する」との考えを表明しました。
日本共産党京都市議団(藤原冬樹団長・二十人)は、かねてから「特定団体の温泉旅行になぜ公金を支出するのか」と追及。市当局と「解同」の癒着を批判し、制度そのものの廃止を求めてきました。その結果、今年度から「解同」京都市協の支部の事業への補助金は廃止されました。