2003年1月23日(木)「しんぶん赤旗」
「ストップ ザ 過重労働」――。愛知県の刈谷労働基準監督署と同署管内の企業で構成する刈谷労働基準協会は二十二日、刈谷市内で「過重労働による健康障害防止のための緊急大会」を開きました。自動車関連部品製造業約百六十社の人事、労務担当者ら二百数十人が参加しました。
同署には、長時間労働による過労死、サービス残業にかんする相談が急増。監督指導をおこなった多くの事業場で、労災認定基準で業務と発症との関連性が強いとされる、月八十時間を超える時間外労働が行われていました。
また、二〇〇一年四月から〇二年末までに同署で把握したサービス残業の是正は九社で約五億六千万円もありました。同時期から昨年九月までの愛知労働局の集計分は五億二千万円です。
「大会」で、同署の塩澤浩次長は「労基法違反は犯罪だ」と強調。使用者による労働時間の適正な把握、サービス残業の解消と、とくに労働者の健康を守る企業責任が強調されました。
愛知医科大学衛生学教室の渡邊美寿津助手が「過労防止のための医学的見地からのポイント」と題して講演しました。
管内のサービス残業の実態について話した岡田利明第一方面主任監督官は「どんな告発でも調査する」とのべ適正な労務管理を呼びかけました。
ある参加者は「労基署の強い姿勢を感じた」と話していました。