2003年1月22日(水)「しんぶん赤旗」
二〇〇三年春闘の本格的スタートとなる「第一波全国統一行動」が二十一日、全労連(全国労働組合総連合)と〇三年国民春闘共闘委員会の呼びかけでとりくまれました。「雇用、くらし、いのち、平和の安心へ」をかかげた国民総決起の春闘にむけ、日本経団連をはじめ、内部留保をため込む大企業への要請・包囲行動や宣伝が全国各地でおこなわれました。
大企業の本社が集中する東京・丸の内では、国民春闘共闘委と東京春闘共闘会議の約六百人がデモ行進しました。「日本経団連の賃下げ攻撃糾弾」「大企業はぼろもうけをはきだせ」の唱和がオフィス街にこだましました。
「労働者に賃下げを迫る財界は許せない」というのは、埼玉・八潮市のJMIU組合員の工藤政和さん(28)。「賃金のベースアップ要求を見送る大企業の労働組合があったり、春闘は終えんしたなんて声もでるなかだからこそ、私たちはがんばりたい。そうでなければ、雇用や生活を守れないですから」といいます。
日本経団連前で訴えた国民春闘共闘委の中沢善治代表幹事は、大企業がばく大なもうけをあげていると指摘し、賃下げ攻撃はとんでもないと批判。「この行動を契機に春闘を大きなたたかいへと前進させていこう」と呼びかけました。
「第一波全国統一行動」は、トヨタやNTTなど大企業への要請・包囲行動や省庁への要請、アンケート活動など全国で多彩にとりくまれました。
東京では、日本経団連への要請行動のほか、金融庁前で「不良債権処理の加速はやめろ」、厚生労働省前で「労働法制の改悪阻止」をと行動。八兆円を超える内部留保をため込みながら、大リストラをすすめるNTT持ち株会社前で要請・包囲行動をおこないました。
「景気回復がタクシー乗務員の願い。それを財界は消費税16%なんて、なにをいっているんだ」と怒るのは、自交総連第一交通労組の西田繁俊さん(55)=タクシー乗務員=。「規制緩和でタクシー台数が増えて、乗務員どうしが仕事の取り合い。もっと人間らしく働きたい」といいます。
精密機械のニコンで働く東京の女性(55)は、「去年はベースアップゼロ。私のまわりでもどんどん人が辞めていきました。辞めなかった人は、いろいろな職場をたらい回しさせられている。雇用を守るためには、賃下げもやむをえないなんて財界はいっているけど、まったく実感にあわない。雇用を守るためにも春闘をがんばりたい」と決意を語っていました。