2003年1月18日(土)「しんぶん赤旗」
福岡県行橋市は十六日、日本共産党市議団の申し入れをうけ、同市武道館で同日から始まった「池田大作写真展」の後援を取り消しました。
党市議団は、前日の十五日に口頭で、翌十六日には文書(別項)をもって申し入れました。同氏が創価学会名誉会長であり、写真展が宣伝・布教活動以外の何ものでもなく、憲法では政教分離がうたわれているし、「行橋市後援名義使用許可基準」でも宗教活動に後援しないことになっていると指摘。さらに、主催者が内容を隠して申請したことは二重に許されるものではなく、同市が即刻後援を破棄し、主催者に謝罪させ、会場内での宗教的活動をいっさい行わせないよう指導することを強く求めました。
これにたいし、市側は「池田氏の写真展とは知らなかった」とのべ、あらためて審査しなおし、後援を撤回したものです。
一月十六日から二十日まで、行橋市武道館で開催される「池田大作写真展‥自然との対話」に行橋市と行橋市教育委員会が後援しています。
池田大作氏は創価学会名誉会長であり、この写真展は行政の後援をとりつけ、それを利用した宣伝・布教活動以外の何ものでもありません。
二〇〇〇年三月埼玉県蕨市で開催された写真展では、受付近くに池田氏著作の『新・人間革命』が積み上げられていましたが、同書は創価学会内部では「現代の御書」(御書とは日〓遺文集のこと)と位置付けられてきた、学会員にとっては最高の教義解釈書・指導書です。「聖教新聞」埼玉版(二〇〇〇年八月三日付)は、この写真展について「名誉会長の写真は、見る人たちが、心洗われ、心豊かにさわやかにさせる」「人間主義の世界を、地域に、友人に、知人に語りに語っていこう」と書いています。「人間主義」とは創価学会の理念を表す言葉であり、「人間主義の普及も創価学会の教義を広めることと同義的に使われている」ものです(宗教学者・七里和乗氏)。
写真展を広布(布教)活動の柱と位置付ける学会の内部文書もあります。「(写真展は)仏法理解の輪を広げる最大のチャンス…今後の新大阪広布進展へのカギとなります」(創価学会新大阪総合本部婦人部長・一九八七年)。
公機関が宗教的活動をしてはならないことは、憲法(注=第二〇条、第八九条)でもうたわれています。また「行橋市後援名義使用許可基準」でも、宗教活動に行橋市が後援してはならないことは明らかです。
さらに、今回の菊池正利氏(勝山町)の申請が「池田大作写真展」を隠していたことは、二重の意味で許されるものではありません。
よって、行橋市・行橋市教育委員会の後援を即刻破棄し、虚偽の申請をしたことに厳しく謝罪させるように、さらに後援しない事を実行委員会が参加者に知らせること、会場内での宗教活動はいっさい行わないよう厳しく指導することを強く申しいれます。