日本共産党

2003年1月1日(水)「しんぶん赤旗」

いっせい地方選挙

日本共産党の躍進で希望ある政治の流れ大きく

住民の期待担いがんばります


福祉、暮らし守る自治体へ

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 二〇〇三年は、いっせい地方選挙の年。全国の自治体の約四割で、首長、議員選挙が行われます。日本共産党の改選議席は道府県百五十四、政令市百三十六、一般市・特別区千百八十八、町村九百五十八、合計二千四百三十六。党議員総数の五割強にあたります。

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 小泉「改革」のもとで不況が深刻化し暮らしが立ち行かなくなる事態がまん延する中で実施されるいっせい地方選。それだけに、自治体が住民の暮らしと福祉を守るという自治体本来の仕事を行うことが強く求められています。

 全国の多くの自治体が自民中心のオール与党のもとで、自治体が自治体でなくなるような変質がもちこまれています。ゼネコンが喜ぶような大型開発に熱中する一方、暮らしや福祉、教育が切り捨てられつつあります。

 同時に、地方に自民党政治の悪政の矛盾が集中するもとで、長野県、徳島県、高知県などで、新しい希望ある流れが生まれています。

 いっせい地方選は、自治体の変質の道を許すのか、新しい希望ある流れを政治の本流として太く大きくするのかが問われます。

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 自民党は外交でも経済でもかじ取り能力を失い、支持基盤も崩れ、選挙ではもっぱら公明党・創価学会に頼らざるをえなくなっています。

 公明党は「福祉」「平和」の看板をかなぐり捨てて自民党の悪政を推進したことにほおかむりし、政策そっちのけに、共産党攻撃、共産党落としに血道を上げています。

 国政では野党の民主、社民両党も多くの自治体で自民党との“相乗り”政治をつづけています。両党とも「結党以来の危機」(民主党・岡田克也幹事長)、「存亡の危機」(社民党・土井たか子党首)と“告白”せざるをえない状況です。

 小泉「改革」に真正面から対決し、内政でも外交でも自民党政治にかわる「日本改革」の提案を示し、建設的な野党として、国政でも地方政治でも元気にがんばっているのが日本共産党です。

 解散・総選挙をめぐる情勢も流動的です。日本共産党は、公明党・創価学会のデマ攻撃をはねかえし、四年前のいっせい地方選で躍進した議席を死守し、さらに議席増、得票増をめざして奮闘しています。

 統一国政補選が後半戦と同時(四月二十七日投票)に行われます。


「北の国から」空白克服

北海道・富良野市議選(22)

佐々木(ささき)まさる(優)さん(47)

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市民と話す佐々木さん(右から2人目)=北海道富良野市の農場

 テレビの「北の国から」のロケ地として、また一面紫色のラベンダー畑で有名な北海道富良野市。残念ながら同市は、道内三十四市中、唯一、日本共産党の議員がいません。

 そこに新人として挑む農民・佐々木優(まさる)さんです。市議会を傍聴しても、本当に大変な市民の声や願いに応えようという姿勢は感じられません。「やっぱり日本共産党の議員がいないとだめだ」と闘志をもやしています。

 佐々木さんは昨年四月の市議補選に初めて立候補、党への期待を実感。「基幹産業の農業は一昨年五市町村の合併農協内で九十七戸が離農するという危機的状態です。国保税や水道料の引き上げなど、市民の暮らしは深刻です。なんとしても議席を得て市民の願いに応えたい」。気温マイナス一〇度を超える寒さのなか行動は続きます。


農業を守る党の議席を

岩手・衣川村議選(16)

菅原(すがわら)あきら(明)さん(51)

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支持者と懇談する菅原さん(左)=岩手県衣川村

 十―十一世紀に奥六郡を支配した安倍一族の本拠地で、大河ドラマ「炎(ほむら)立つ」の舞台となった岩手県衣川村。

 党衣川支部長の菅原明さん(51)は、十五年間の議員空白を克服するために、全有権者を対象にした対話や読者拡大、議会傍聴をすすめています。

 党支部は議会に就学前児童医療費の無料化を陳情し、昨年四月に実現させるなどの成果をあげてきました。「さらに要求を実現するためには党議員が必要だ」との要請に菅原さんは立候補を決意し、勤めていた農協を昨年九月に退職しました。

 昨年八月に起きた卑劣な党掲示板盗難事件に怒り、党支部に激励の手紙を寄せた佐藤利男さん(62)は「相手の話をよく聞く、やさしい人」と話します。

 菅原さんは、労組役員を歴任する中で、真実を伝える党の考えに共感し、五年前に入党。農協勤めの経験を生かして農業を守るために奮闘する決意です。


若い世代の要求実現へ

茨城・水戸市議選(33)

江尻(えじり)かな(加那)さん(29)

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同年代のお母さんたちと話し合う江尻さん(中央)=水戸市

 二〇〇一年十月の市議補選に続き二度目の挑戦。二歳の子どもを育てながらの候補者活動です。大変さもありますが、「毎日の仕事が自分のやりたいことと一致している」――喜びをかみしめています。

 以前は建築設計事務所で一級建築士として勤務。働きながら日本民主青年同盟の茨城県委員長も務めました。

 対話をすすめる中、「安定した職業に就いて自立したい」「共働きで子育てしやすい保育サービスの充実を」など青年の切実な願いを実感してきました。「若い世代の要求を市政に反映させたい」と意気込みを語ります。

 いっせい地方選では市議会定数が三減のなか「議案提案権を持つ日本共産党の四議席をなんとしても守り、くらし応援の市政へ」と全力で奮闘しています。


子どもの目輝くように

東京・武蔵村山市議選(21)

今野(こんの)あつし(篤)さん(36)

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ギターを手に懇談する今野さん(右端)

 「音楽も日本共産党の議員も人を幸せにするためにある」。昨年五月の武蔵村山市議補選で初当選した今野さんは、立候補を決意したときの思いをこう語ります。全日本ギターコンクール第一位の経歴をもち、音楽鑑賞会の音響スタッフとして、全国約千校を回ってきました。

 「子どもたちの目が、生き生きと輝く市にしたい」と補選で訴えた今野さん。子どもたちに良い音で音楽を聞いてほしいという思いを込めて、初質問で学校の音響施設の問題を取り上げ、市長から、「いいお話を聞かせてもらいました」と、議会終了後に声をかけられました。

 公約の学童クラブの定員不足問題も取り上げ、その後、新しい学童クラブの設置が決定。「与党議員として建設的な提案もどんどんやりたい」と意欲を燃やしています。


町政変革へ引き続き奮闘

山梨・勝沼町義選(16)

川口(かわぐち)信子(のぶこ)さん(56)

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町政について語り合う川口さん(左)

 ブドウとワインの産地として知られる山梨県勝沼町。埼玉県から移住して前回いっせい地方選に立候補した川口信子さんは、昨年四月の町議補選(定数二)で日本共産党として三十五年ぶりに当選。いっせい地方選で、その議席の確保に挑みます。

 川口さんは四年間で六十九回、地域民報を発行。介護保険料・利用料の減免署名などに粘り強く取り組みました。

 当選後、学童保育が二カ所に増設され、対象者も三年生までから六年生までに拡大、町営バスの運行ルート見直しなど、川口さんが議会内外で訴えてきた町民要求が次つぎに実現しました。

 鶴田梅乃さんは「信子さんが来てから保守的な町が変わり始めました」といいます。「引き続き、住民の生の声を町政に届ける役割を果たすため、定例選挙でも必ず勝利したい」。川口さんの決意です。


元漫才師 定数1に挑む

大阪府議選大阪市福島区(1)

清水(しみず)ただし(正)さん(34)

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「立体紙芝居をはじめます。おもしろなかったらあやまります」と呼びかけながら、府政を語る清水府議候補=大阪市福島区

 「政治をわかりやすく語る」をモットーに関空二期工事をかたどった「立体紙芝居」をつくり対話。はぎれのいい話術に人だかりができました。

 漫才コンビ「ツインタワー」としてデビューした経歴の持ち主。「極楽亭ペンギン」の芸名も。

 阪神大震災の救援ボランティアに加わって政府の無策ぶりに怒り、献身的に活動する日本共産党の姿を見て感動。「人を笑わせることが私の喜びです。人間の幸福をめざすなかで身につけた芸を生かしたい」と入党しました。

 候補者になって三カ月余り。身近な情報を盛り込んだ「週刊わがまち福島」の編集、連日の早朝宣伝と活力いっぱい。周囲は「思いついたらすぐに行動する人。私たちも元気をもらっています」といいます。定数一の自共対決へ果敢に挑みます。


「原発優先」転換したい

静岡・浜岡町議選(16)

清水(しみず)すみお(澄夫)さん(56)

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つじつじで街頭宣伝する清水さん(中央)と党浜岡支部の人たち=静岡県浜岡町

 「浜岡原発の危険から住民を守る会」会長の清水すみおさんは、浜岡町議会でただ一人、老朽化した1、2号機の廃炉を求め奮闘してきた日本共産党の石原顕雄町議の後継者として立候補する決意を固めました。

 東海地震震源域上に建つ同原発での事故続発と損傷隠しの衝撃が走った昨年、「もう原発を動かすな」「廃炉にして。住宅を耐震補強しても原発が暴発したら意味がない」(子育て中の女性)の声があがり、議会の外で署名活動など町民を守る先頭に立ったのが清水さんでした。

 国労での三十五年間の組合活動の経験も生かし、「原発最優先の町政を転換したい。おらが町民のために役立てるなら」と、十月から街頭演説に立ち、元町幹部や保守層からも「よく決意してくれた」「がんばれ」と声を掛けられています。


県議会に議席の回復を

石川県議選金沢市区(11)

尾西(おにし)洋子(ようこ)さん(59)

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街頭で市民と語り合う尾西さん(左端)=金沢市

 日本共産党が四年前に議席を失った石川県議会は文字通りのオール与党議会。この間、十五回開かれた議会すべてで知事提出議案を「異議なし」で全会一致可決してきました。

 大型開発に熱中する一方、福祉、教育は切り捨てる県政。県の六十九歳老人医療費助成制度を来年度から廃止しようとしています。「無駄遣いに何の反省もなく、とんでもないこと。存続のためにがんばりたい」と尾西洋子さん。

 草の根の女性運動三十五年、「粘り強さ」が定評です。広範な県民運動と結んで乳幼児医療費助成制度の対象年齢引き上げを実現しました。

 ムダな辰巳ダムはやめ、特別養護老人ホーム建設、三十人学級実現など、県民要求実現のために政府交渉や県交渉を重ねて東奔西走。「なんとしても議席を獲得したい」と奮闘しています。


当選前から“議員なみ”

広島・向島町議選(16)

住田(すみだ)哲博(てつひろ)さん(60)

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要求実現へ植上町議とともに町長へ申し入れる住田さん(右)=02年12月13日、広島県向島町

 広島県向島町では、中学校を昨年三月に定年退職した住田哲博さんが、高齢のため勇退する植上豊町議の議席を引き継ぎます。

 尾道市内で全教広島尾道支部の委員長や原水協尾道地区協議会の事務局長として活動してきた元美術教員の住田さんは「定年になったら絵描きと創業八十五年の実家のパン屋を手伝いながら、世直しにも存分にがんばるぞと思っていました」。

 住田さんは植上町議の力も借りて町長へ申し入れ、住民の安全のため、救急車両が通れる道路拡幅や多目的広場「ポケットパーク」の実現など、“議員なみ”の奮闘をしています。町民から「身近なところで私らの味方になってくれる」との声が寄せられています。

 住田さんは「緊急要求はただちに実現させながら必ず勝利して住民の暮らし、福祉を大切にする町政にしたい」と話しています。


「県民の宝」議席継承必ず

鹿児島県議選鹿児島市区(17)

まつざき(松崎)真琴(まこと)さん(44)

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市民から訴えを聞く、まつざき候補(左端)=鹿児島市

 教員やPTA副会長などを務め、教育と教育環境をよくするために活動。党県議団事務局長として議員活動を支えてきましたが、今回、現職の祝迫かつ子さんからバトンタッチすることになりました。祝迫さんと二人三脚で県民要求実現の先頭に立っています。

 失業して生活費にサラ金から借金し相談した人、外から丸見えの中学校プールの改善などで相談した人らが「私たちの願いにすぐこたえてくれる頼もしい人」と期待をよせています。

 日本共産党が無担保無保証人融資制度を求めたとき「金融の常識に反する」と答弁した自民党県政。三十人学級にも冷淡でした。いま小学一年生は三十五人学級に。人工島に反対していたのも共産党だけでした。運動と結んだ主張は他党をも動かし、いま推進をいうのは自民党だけ。一人でも県政を動かしてきた議席を、なんとしても継承しようと全力投球です。


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