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2020年3月15日(日)

きょうの潮流

 生活困窮が原因の孤立死や無理心中事件が相次いでいます。70代と60代の兄弟が東京都江東区の団地で困窮死。体重は20キロ台と30キロ台でした。ライフラインは止められていました▼母親(88)が昨年の師走に娘(70)を刃物で刺した無理心中事件。福岡市のサービス付き高齢者住宅で、パーキンソン病で「要介護5」の娘を、サービスを使いながら介護していました。介護の悩みだけでなく経済的な不安も抱えていました▼大阪府八尾市のアパートでは、生活保護と介護保険サービスを利用して1人で暮らしていた母親(57)と息子(24)が死亡。担当ケアマネジャーが2月末に発見しました。食べ物がほとんどなく、所持金もわずか。ガスや水道が止まっていました。最後に保護費を受け取ったのは昨年12月でした▼行政が積極的に動いていたら、防げたかもしれません。そんな中、安倍政権は生活保護のケースワーク業務を外部委託化しようと動いています▼同業務は「憲法25条が保障する生存権を公的責任で実施するというもの。社会福祉の中でも特に生命、身体に直結する」と花園大学・吉永純教授。生活保護問題対策全国会議代表幹事の尾藤廣喜弁護士は「業務委託でコストカットして、専門性はどうなるのか」と警鐘を鳴らします▼新型コロナウイルスが命と健康を脅かす今こそ、社会保障が人権保障としての機能を果たさなければなりません。ケースワークの業務委託は逆行です。緊急事態を口実にした私権の制限などもってのほかです。


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