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2020年2月21日(金)

きょうの潮流

 征服者が被征服国民に強要したもの―。1951年調印の旧日米安保条約について米上院でこんな指摘が出たことがあります。60年6月のことです▼発言したのは民主党のラウシェ議員。共和党のヒッケンルーパー議員からも「征服された国民が征服者から受け入れを迫られた条約だった」。それも当然です。米軍占領下、日本国民に秘密の交渉で押し付けた条約だったからです▼内容は占領下に米軍がつくりあげた基地をそのまま提供するというもの。60年1月には現行安保条約が調印されました。基地提供だけでなく、日米共同作戦条項などを新たに盛り込みました。先の発言は上院での現行安保条約審議で出たものです▼日本では安保改定を契機に国民の怒りが広がりました。「安保闘争」です。ハンフリー議員(民主党、のちに副大統領)は、デモが一部の者によって引き起こされたという見方を否定し、「デモは広く一般の感情を反映したものだというあらゆる証拠がある」と主張しました▼モース議員(民主党)は新条約でも米軍基地が維持されることに触れ、「ある程度まで軍事占領を継続するものだ」「他国兵の駐留は自動的に怒りの種となる。これまでも常にそうだったし、今後もそうだ」と不安を隠しませんでした▼安倍晋三首相は先月、都内で開かれた現行安保条約の60周年記念レセプションで同条約を「不滅の柱」と持ち上げました。米側さえ「占領の継続」と心配した条約を「不滅」とは。心まで占領されているかのようです。


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