しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年9月23日(月)

主張

自民党改憲新体制

安倍改憲阻止の運動が急務だ

 第4次再改造政権をスタートさせた安倍晋三首相(自民党総裁)の下で、自民党の新たな改憲推進体制がほぼ整いました。党改憲推進本部長には首相の出身派閥の細田博之元幹事長が就任し、改憲案を審議する衆院憲法審査会長には佐藤勉元国対委員長、参院憲法審査会長には首相と同郷の林芳正元文部科学相を推す方針です。首相は改造にあたって、改憲に「全党一丸」で取り組むよう檄(げき)を飛ばし、再任された二階俊博幹事長らも積極的にこたえると表明しています。10月初め召集予定の臨時国会で自民党改憲案の提示などの動きを加速させる布陣です。

「必ず成し遂げる」と明言

 安倍首相は、改造直後の記者会見で、「令和の時代の新しい日本を切り開いていく」「その先にあるのは、自民党立党以来の悲願である憲法改正への挑戦」「必ずや、成し遂げていく」と明言しました。首相が2年半前に持ち出した、憲法9条に自衛隊を書き込むなどの改憲を強行することへの執念は、いささかも変わっていません。

 自民党改憲推進本部長に再就任する細田氏は、幹事長や国対委員長など要職を歴任しただけでなく、以前本部長を務めた2018年3月、首相の固執する自衛隊明記をはじめとする4項目の改憲案を党内で取りまとめました。党改憲推進本部は総裁直属の機関です。改憲案の取りまとめのほか、各国会議員や地方組織などが各地で改憲の機運を高める活動も支えます。その本部長に細田氏を再起用するのは、首相の改憲への並々ならぬ決意を改めて浮き彫りにするものです。

 自民党国対委員長を3年近く務めた佐藤氏を衆院憲法審査会長に、文科相や防衛相などを経験した林氏を参院憲法審査会長に推すのも、首相の意に沿った審議を進めやすくする狙いです。

 7月の参院選で国民は、自民・公明、日本維新などの「改憲勢力」に3分の2の議席を与えませんでした。共同通信の世論調査でも、安倍首相の下での改憲に「反対」が47・1%で、「賛成」の38・8%を上回りました。内閣が優先して取り組むべき課題は何かについての質問(二つまで回答)では、「年金・医療・介護」が47・0%、「景気や雇用など経済政策」が35・0%で、「憲法改正」はわずかに5・9%です(「東京」13日付など)。「産経」とFNNの調査でも、内閣が最優先すべき課題は「社会保障」が34・0%、「経済対策」が22・6%で、「憲法改正」は4・7%しかありません(「産経」17日付)。

 国民が望まない改憲に突き進む再改造政権の危険は明白です。

歴史の流れに反するな

 安倍首相がめざす9条に自衛隊を明記する改憲を許せば、戦力不保持・交戦権否認の現行9条の規定が空文化・死文化し、自衛隊が大手を振って、海外での戦争に参加することを可能にします。文字通り、「戦争への道」です。

 歴史と世界の大勢は、戦争を違法化し、各国間の紛争は武力ではなく、話し合いで解決するということです。「安倍改憲」はそうした歴史と世界の流れに逆らい、アジアの近隣諸国との緊張も激化させます。

 いま必要なのは危険な改憲ではなく、憲法を守り生かすことです。「安倍改憲」阻止の世論と運動を高めることが急務です。


pageup