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2019年9月6日(金)

きょうの潮流

 1歳7カ月で、保育園の水を張った洗濯機に転落した広島県東広島市の西原海(かい)さん。体を動かすことも、食事を口からとることもできません。それでも多くの人たちとつながってきました。今月、30歳の誕生日を迎えます▼重度の障害がありながらも、「1人暮らしを経験したいはず」。数年前にそう話していた母親の由美さん。奔走するも、海さんの1人暮らしを支える障害福祉サービス「重度訪問介護」を提供する事業者が同市にはなく、かないません▼海さんは先の参院選で、もっと豊かに生きたいとの願いを込めて投票しました。「海くんは訪問教育の充実を求めて国会請願したときに、どの政党が自分たちのために働くかを肌で感じているんよね」▼海さんの祖母、宍戸信子さん(88)は投票を断念せざるを得ませんでした。たびたび「今の政治はおかしい。そのうち戦争するんじゃないか」と。爆心地から約2キロで被爆。常に平和を願っていました▼みずから希望して入った介護付き有料老人ホームで4月、血糖値が下がり意識を消失。救急措置が取られず、いまだに意識が戻らず外出も不可能なまま。海さんのいのちと向き合ってきた西原さん一家。迷わず信子さんにも、栄養をとるために「胃ろう」をつくりました▼安倍自公政権が社会保障費を削減し続けるなか、介護施設内の事故は後を絶ちません。「施設の問題もあるけど、社会的な問題が大きい」。その人が望む生き方を実現できる社会に―。西原さん一家は発信し続けます。


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