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2019年7月21日(日)

多文化共生の社会こそ

朝鮮学校描く映画上映 前川喜平さん講演

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(写真)講演する前川喜平元文部科学事務次官=20日、東京都新宿区

 「アイデンティティーのなかには、必ず民族性が入っている」―。NPO法人「高麗博物館」は20日、朝鮮学校の歴史と現状を描く長編ドキュメンタリー映画「アイ(子ども)たちのハッキョ(学校)」の上映と、元文部科学省事務次官の前川喜平氏の講演会を都内で開催しました。会場は満席になりました。

 映画は、ウリハッキョ(朝鮮学校)の歴史や子どもたちの勉学や生活の様子、「高校授業料無償化」制度の裁判、ヘイトスピーチなどの差別に対する各地のたたかいの記録を映画化したものです。

 「高校授業料無償化」は10年度から実施。各地の朝鮮学校が申請したのに対し、安倍政権は13年、文科省令から条項を削除し、朝鮮学校は指定しないと通知しました。

 「民族教育と多文化共生社会」と題して講演した前川氏は、国が「高校授業料無償化」の対象から朝鮮学校を除外した違法として卒業生らが各地で訴えている訴訟について「国が負けて当然の裁判だ」と指摘しました。日本国憲法が、一人一人が自分のアイデンティティーを大事にして、自分らしく生きることが誰もが認められ、それを互いに尊重し合う社会を想定していると強調。「これからさまざまな国の人たちが住む多文化社会になる。在日コリアンの人びとは、一番最初に日本に来て、母語や自国文化の民族教育の歴史もあり、たくさんの苦労もしてきた。多文化共生社会をつくる上で、先駆けになってほしい」と述べました。


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