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2019年7月4日(木)

ここがいいネ!共産党

論客の侍 旋風起こせ

作家 島田雅彦さん

写真

(写真)しまだ・まさひこ 1961年、東京都生まれ。東京外国語大学ロシア語学科卒。著書は『優しいサヨクのための嬉遊曲』『彼岸先生』『カオスの娘』『人類最年長』など多数

 5年前、安倍晋三首相について「歴史上、最悪の首相」と発言して炎上したが、それが正しかったことを本人が証明してくれました。

 以前、麻生太郎財務相がナチスの手法をまねたらどうかといっていたが、そうなりつつあります。というのも、衆院予算委員会が100日以上も開かれず、国会停止状態だったし、共産党に対する誹謗(ひぼう)・中傷がヒステリックになっている。国会停止と共産党の活動停止をやれば、ナチスのたどった道筋をなぞっていることになります。

 公的年金だけでは2000万円不足するという金融庁の審議会報告書もなかったことにするわ、公文書を改ざんするわ、悪質に確信犯的にやっています。これは完全に違法行為であり、反社会的行動で、彼らに道徳を説く資格はありません。政権に6年以上も居座っていると、ごまかすためのウソの回数も飛躍的に増え、完全におおかみ少年化しています。

 そんな中、国会中継は確実に政権追及の舞台になっています。とくに共産党の小池晃書記局長・参院議員の舌鋒(ぜっぽう)鋭い年金問題の追及の動画閲覧回数は490万を超えました。がちで論戦に挑めば、共産党が勝つに決まっている。でも、彼らは論戦にまともに応じず、逃げてばかりです。

 安倍政権にあきらめムードがある一方、あきてもいる。年金問題ももちろんですし、消費税も増税するつもりだし、外交でも北方領土を放棄するような失策を重ねている。これまでアベノミクスにだまされていた人も、生活防衛上、これ以上、彼に政権を任しておけないと思うようになってきています。いくら支持率のごまかしを図っても、レームダック状態は明らかです。

 小泉純一郎政権あたりから、ワンフレーズで有権者をだます反知性主義的ポピュリズムが続いています。政策よりキャラクター、正論より中傷という状況の中、共産党は、大企業・富裕層優遇税制の是正など、問題に対処するための財源の提案も含め対案を示し、政策勝負をしていますが、思考停止状態にアピールするにはジャンヌ・ダルク、四銃士、七人の侍のようなキャラを立てて、旋風を起こしてほしい。主張は十分正しいので、もう少しかっこよく決めて、敵のみっともなさを際立たせるべきです。

 聞き手 伊藤紀夫

 写真 縣 章彦


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