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2019年6月25日(火)

主張

通常国会の最終盤

安倍政治の行き詰まり極まる

 1月末に始まった通常国会は、26日の会期末を前に与野党の最終盤の攻防が続いています。安倍晋三首相は、憲法9条の改憲や消費税増税に執念を燃やす一方、破綻した経済政策「アベノミクス」や、アメリカとの貿易交渉の“密約”問題など、国民との矛盾があらわな外交の八方ふさがりには無反省です。年金を7兆円も削る「マクロ経済スライド」を改めようともせず、「減らない年金」を求める国民の声に背を向けています。

 政権復帰から7年目の安倍政治は完全に行き詰まっています。参院での首相問責と、衆院での内閣不信任に値するのは当然です。

改憲案の提示はできず

 安倍首相は今国会冒頭の施政方針演説で、当時大問題になっていた勤労統計をはじめとする統計の不正・偽装は「おわび」や「検証」の一言で片付け、「アベノミクスは今なお、進化」だの、「戦後日本外交の総決算」だのと、抽象的な言葉を重ねて自画自賛しました。「平成の、その先の時代に向かって、日本の明日を開く」と繰り返し、天皇の「代替わり」や「改元」を政治的に利用し、悪政を推進する姿勢を露骨に示しました。

 しかし、首相が「憲法審査会の場において、各党の議論が深められることを期待」(施政方針演説)するとして、憲法擁護・尊重の義務や、三権分立の原則を踏みにじって、旗を振り続けてきた、自民党改憲案の国会への提示は、野党と国民の反対で今国会でもできませんでした。昨年の通常国会、臨時国会、今国会と、3国会連続での見送りとなります。

 だいたい国民が望んでもいないのに首相の執念だけで改憲しようというのは、憲法で権力を縛る立憲主義の最悪の破壊です。首相は先週末のインターネット番組でも、改憲を参院選の争点にすることを改めて明言しました。首相の野望を打ち砕くたたかいが、いよいよ重要です。

 首相が政権復帰以来、「最長の景気拡大」だと“自慢”してきた経済は、今では政府も景気の「悪化」を認めざるを得ません。個人消費は、14年4月に消費税率を8%に引き上げて以来低迷が続き、輸出も減少しています。こうした中で、10月からの消費税の10%への増税強行にこだわる首相の姿勢は、暮らしや日本と世界の経済をかえりみない無責任極まるものです。

 「戦後日本外交の総決算」だと意気込んでみせた外交でも、アメリカからの兵器の“爆買い”や日米貿易交渉での農産物輸入拡大の“密約”の存在が浮き彫りになるばかりです。日ロの領土交渉や北朝鮮との拉致問題も、打開の展望は見えません。安倍政治は内政でも外交でも行き詰まっています。

ウソと強権政治に審判を

 昨年来の「森友・加計」疑惑や、政府統計の不正・偽装、新たに浮上した「国家戦略特区」をめぐる疑惑なども解明が尽くされていません。沖縄での米軍新基地建設の強行を含め、ウソと強権の安倍政治への怒りと批判は強まるばかりです。衆参の予算委員会の開催を拒み、議論から逃げ続ける首相の姿勢は言語道断です。

 7月の参院選は主権者・国民が、怒りの意思を示す重要な機会です。安倍政治に厳しい審判を下し、市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進で、希望と安心の政治を切り開こうではありませんか。


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