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2019年6月17日(月)

きょうの潮流

 地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に基づく長期戦略を政府が閣議決定しました。今世紀後半のできるだけ早期に「脱炭素社会」実現を掲げながら、二酸化炭素を大量に出す石炭火力は「依存度を可能な限り引き下げる」との表現で、維持する方針です。多くの国が廃止を打ち出しているのに、これは逆行です▼片や原発は再稼働を進め、新しい炉も開発するといいます。「脱炭素化の選択肢」だからというのですが、果たしてどうか▼放射性物質が広範囲に放出された東京電力福島第1原発事故では8年以上たった今も、多くの人が故郷に戻れません。原発から出る「核のゴミ」は10万年もの管理が必要といわれ、その処分・処理のめどは立っていません。しかも原発は建設費など割高。再生可能エネルギーによる脱炭素化こそ世界の流れです▼「原子力は禁止されるべきだと考える」。かつて原子力が地球温暖化対策に役立つと考えていた米原子力規制委員会の元委員長、グレゴリー・ヤツコ氏が先月、米紙にそう寄稿しています。福島原発事故当時、同委員長でした▼コミュニティーを何十年も汚染しないことが電源の妥当な基準だ。事故後の日本で稼働原発が減ったのに、炭素排出量も事故前の水準以下だとヤツコ氏▼寄稿文は最後に、今や真の選択は、地球を救うのか、廃れつつある原子力産業を救うのかだといい、「私は地球に一票を入れる」と結びます。今度の参院選挙で、原発ゼロへの大転換をはかることは、“地球への一票”となります。


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