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2019年6月11日(火)

沖縄・浦添 米軍ヘリ部品落下

司令官「飛行の安全に関連ない」

軍事優先姿勢あらわ

 沖縄県浦添市立浦西中学校に米軍普天間基地所属ヘリの部品が落下した事故。ポール・ロック米海兵隊太平洋基地司令官は7日、落下したプロペラを保護するゴム製テープを、「飛行の安全に関連しない」から「部品点検の対象にしていない」と明らかにしました。県民の安全など眼中にない軍事優先姿勢があらわになっています。


「感覚が違う」 副知事不快感

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(写真)米軍ヘリの飛来で部活動中の生徒が避難し、だれもいなくなった運動場=6日午後4時50分ごろ、沖縄県浦添市立浦西中学校

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(写真)米軍司令官の発言に不快感を示す謝花喜一郎副知事=7日、沖縄県北中城村の米軍キャンプ瑞慶覧第1ゲート前

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(写真)米軍ヘリの飛来で部活動を中断し、建物の陰に隠れる野球部の生徒たち=6日午後4時50分ごろ、沖縄県浦添市立浦西中学校

 7日、抗議のため米軍キャンプ瑞慶覧(北中城村)を訪れた県の謝花喜一郎副知事に、ロック氏が明らかにしました。謝花氏は「感覚が違う」と不快感をあらわにしました。

 中学は部活動で一番大きな大会を控え、3年生には中学時代最後の挑戦の時。面談で謝花氏は「そんな時に(ヘリ飛来のたびに避難で)練習が中断し、影響は大きい」とし「学校には(事故の問い合わせの)電話がどんどんかかってきている」と教育現場の混乱ぶりを説明しました。

 「(ゴム製テープの落下が)あなた方にはささいな事でも県民には大きな不安だ。落下事故はゼロにしてほしい」と強く迫り、ロック氏も「ベストを尽くす」と、ゴム製テープを点検項目に加えざるを得ませんでした。

 教育現場では混乱と不安が続いています。浦西中では7日夜、緊急保護者会が開かれ、学校は野外における部活動・体育・清掃を制限する措置をとっていると説明しました。保護者から「いつまで続くのか」と声があがり、学校は「20日をめどに」と答えました。

 同校は当初、米軍機が接近したら活動を中断・待機、緊急事態になれば建物に避難する措置でした。しかし教諭から「これでは危ない」と意見が出て、6日から米機が接近したら“即避難”に変更しました。

 同校は5日、名護清和校長が「許しがたい事故」だとコメントを発表。10日以降、市・県PTA連合会等と飛行ルートの変更を求める要請を行います。

 ゴム製テープの落下をまったく意に介さない米軍を保護者はどう思っているのか。事故の時、中1年の娘が一時避難した新里和也さん(沖縄県教職員組合那覇支部の執行委員長)はいいます。

 「米軍は完全に県民を見下している。米軍の訓練で授業を中断し逃げなきゃいけない教育現場などあってはならないはずだ。日本政府は教育の機会均等をどう考えているのかと聞きたい。普天間基地は(名護市辺野古の)米軍新基地と関係なく今すぐ運用停止、閉鎖・撤去するしかない」


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