しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年5月9日(木)

騒音 1日192回

米軍岩国基地 事実上の着艦訓練?

 空母艦載機の移駐が昨年完了した米軍岩国基地(山口県岩国市)北側の市の騒音測定器で7日、今年度最多となる192回の騒音が観測されました。9日から硫黄島(東京都)での地上模擬着艦訓練(FCLP)が予定されており、岩国基地でも事実上のFCLPが行われたもようです。(酒井慎太郎)


写真

(写真)離着陸訓練を終え、駐機場に向かう戦闘機(手前)と着陸する戦闘機(上の明るい光)=7日午後9時すぎ、山口県岩国市

 FCLPは滑走路を空母の甲板に見立て、着陸直後に離陸、急上昇(タッチアンドゴー)するもの。数機で繰り返すため、激しい騒音が間断なく続きます。

 記者は午後8時すぎから滑走路のそばで監視しました。艦載の戦闘攻撃機FA18スーパーホーネットとみられる4、5機が上空を旋回し、2、3分間隔でタッチアンドゴーを実施。午後9時ごろまで続きました。

 市によると、午後7時以降でも基地北側で57回の騒音を記録。この日、市に寄せられた苦情は74件と今年度2番目の多さでした。

 JR岩国駅に近く、滑走路の北側から直線で3・6キロ離れた自宅に住む藤本博司さん(77)=住民投票を力にする会事務局長=は7日の騒音について「連続した音が早朝から昼間、夜も続いた。非常にストレスを感じます」と話し、「事実上のFCLPと見ていい」と指摘しました。

 岩国基地報道部は、どんな訓練をしていたのかという記者の質問に対し、「保安上の理由で、私たちの任務に欠かせない航空機運用の詳細についてはお話しいたしかねます。全ての航空機運用は日米で合意された規定および規則にのっとっています」と答えました。

きょうから硫黄島で

代替地に三沢・厚木・岩国

 防衛省は7日、在日米軍司令部から、原子力空母ロナルド・レーガンの艦載機が9日から19日までの日程で、硫黄島(東京都)で着陸訓練を行うとの通知を受けたと発表し、関係自治体に通知しました。

 米軍は、天候などの事情で所要の訓練を実施できない場合は、16日~19日の日程で、三沢(青森県)、厚木(神奈川県)、岩国(山口県)の3基地のいずれか、あるいはすべてで訓練すると通知。時間はいずれも午前10時~午後10時だとしています。

 厚木基地のある綾瀬市の古塩政由市長、大和市の大木哲市長は、着陸訓練をしないよう、司令官のロイド・B・マック大佐あてに要請しました。

 大和市の大木市長はあわせて、訓練後の深夜飛行も基地周辺でしないよう、同大佐と、外務、防衛両相に対して要請しました。

 また、県と厚木基地周辺9市(綾瀬、大和、相模原、藤沢、茅ケ崎、海老名、座間、横浜=以上神奈川県=、町田=東京都=)は防衛相に対して、すべての着陸訓練を硫黄島で実施し、厚木基地では実施しないよう強く求めました。


pageup