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2019年5月3日(金)

金澤翔子さん 成熟の書

鎌倉 建長寺展始まる

6日まで

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(写真)麻姑仙壇記の書を背に翔子さん(右)と泰子さん=2日、神奈川県鎌倉市の建長寺

 本紙社会面企画「共に生きる」の題字や月刊誌『女性のひろば』の連載でおなじみのダウン症の書家、金澤翔子さん(33)の書展が神奈川県鎌倉市の建長寺で2日から始まりました。

 11回目となった今回の建長寺展で翔子さんは、中国・唐の時代の書家、顔真卿(がんしんけい)の書「麻姑仙壇記(まこせんだんき)」に挑みました。この他にも「笑門来福」などの書が展示され、初日となった2日午前中から、多くの来場者でにぎわいました。

 翔子さんの母で書家の泰子さんは「力強い楷書の顔真卿は書家の誰もが通る道。その書を手本に取り組みました。11回もよくやってこれたと思います。当初の力強い書と違う良さ、成熟ぶりをみてほしい」と話します。

 翔子さんも「みなさんに来てほしいです」と語ります。

 翔子さんが1人暮らしをするようになって3年8カ月になります。泰子さんは「1人暮らしで毎日、ご飯をつくって、ジムに通って、近所の人と交流して、ダイエットにも成功しました」と翔子さんの様子を語ります。

 翔子さんが「1人暮らしをします」と宣言した時は不安だらけだった泰子さん。いざ始まってみると、その心配は吹き飛びました。

 泰子さんは「ちゃんと生活を送ろうとする翔子の意志の強さに人間の原点をみた思い。近所の人と関わりながら楽しく日常を過ごす翔子。この世は優しさに満ちています」といいます。

 川崎市から母親と訪れた三浦涼子さん(44)は、東日本大震災後に書をみて以来のファンです。「亡くなった姉への思いを揮ごうしてもらったりして、翔子さんの書に勇気づけられてきました。いろんな経験をして翔子さんの幅の広がり、成長ぶりを感じます」と語っていました。

 書展は6日まで。


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