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2019年4月23日(火)

主張

衆院沖縄3区補選

「辺野古唯一」完全に破綻した

 衆院沖縄3区の補欠選挙(21日投開票)で、米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に代わる名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」の屋良朝博氏が、安倍晋三政権が全面支援した島尻安伊子氏を破り、初当選しました。安倍政権が強権によって推し進める新基地建設に対し、昨年9月の県知事選、今年2月の県民投票に続き、三たび「ノー」の審判を明確に下したもので、県民の大勝利です。

もはや言い逃れはできず

 今回の補選は、辺野古新基地建設をめぐり、沖縄の命運を左右する極めて重要な選挙でした。

 自民党は、昨年の名護市長選(同年2月)でも、県知事選でも、辺野古新基地の是非には一切触れず、徹底した争点隠しを図りました。ところが、今回は辺野古新基地推進を公然と掲げました。それは、自民党沖縄県連が県知事選で玉城デニー現知事に大敗した「総括」から導いた方針でした。

 今年3月の自民党沖縄県連の大会に出された「県知事選挙結果の検証と総括」と題する文書は、主な「敗因」として「党本部(官邸)主導と言われた選挙方式で、辺野古移設問題を封印」し、「辺野古問題、(県による埋め立て承認)撤回に対する姿勢を明確にしない戦術が裏目に出」たとしました。

 県連の各支部からも「辺野古の問題から逃げている印象が強く、真正面から普天間の危険性除去のためには代替施設の建設は必要との論陣を張って立ち向かうべきであった」などの声が上がっていることを紹介し、「辺野古移設や普天間飛行場の危険性の除去・早期移設問題を完全に封印して選挙戦に臨んだのは、明らかに失敗であった」と重ねて述べていました。

 今回はこうした「総括」から辺野古新基地推進をあからさまにして正面突破しようとしたのです。

 沖縄の地元紙・沖縄タイムス22日付は、島尻氏が「沖縄北方担当相まで経験し、国政与党が全面的にバックアップ」して「菅義偉官房長官が来県し支援を訴えたほか、(沖縄)3区14市町村のうち13市町村長が支持するなど強大な組織力を誇った」と指摘しています。それにもかかわらず屋良氏が勝利したのは「島尻氏が米軍普天間飛行場の辺野古移設について『容認』の姿勢を鮮明に打ち出した」からであり、「有権者は『新基地ノー』『辺野古埋め立てノー』の意思を明確にした」と強調しています。

 自民党にとって島尻氏の敗北はもはや言い逃れできない結果であり、とどめの審判です。「論点をずらして結果をぼやかしたり、特殊な地域事情と片付けたりするようなことは許されない」(「毎日」22日付)との指摘が上がっているのは当然です。

安倍政権は民意に応えよ

 日米両政府は19日、ワシントンで開いた安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表で、辺野古新基地が「唯一の解決策」だとし、「同計画を可能な限り早期に完了する」ことを改めて確認しました。しかし、辺野古の埋め立て予定海域には難工事が必至の軟弱地盤が広がっており、安倍政権は完成時期も、全体の工事費も示すことができません。「辺野古が唯一」という政策の破綻は明白です。

 安倍政権は今回の選挙結果を真剣に受け止め、新基地建設を中止し、普天間基地の無条件撤去を求める対米交渉こそ行うべきです。


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