2019年4月1日(月)
指導の「革命」 語り合う
自主性を育む実践次々
女性スポーツ勉強会
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女性のスポーツ環境を考える「女性スポーツ勉強会」が30日、東京都内で開かれ、スポーツにとって大切な自主性を育む指導の実践について元一流選手や現役コーチらが報告しました。主催は1976年モントリオール五輪女子バレーボールで優勝した元日本代表選手で構成するNPO法人バレーボール・モントリオール会。
怒らない監督
「スポーツ界の革命・思い切って変えてみよう」が企画のテーマ。バレーボール元日本代表の益子直美さんは、監督が怒らないという決め事を定めた小学生の大会を主催した経験を報告しました。
5回目となった今年の大会は、監督が怒る事例がほぼなくなったと成果を強調。「監督に怒られないから、いつもは取れないボールにチャレンジできた」という子どもの感想文も紹介しました。
益子さんは、自身が中学・高校時代に監督の暴力によって「感情を封印し、自分で考えたり発言したりする能力を何も得なかった」と振り返り、子どもが競技を続けられる環境づくりの必要性を訴えました。
みずから発見
新体操の元五輪代表で東京女子体育大学新体操競技部コーチを務める秋山エリカさんは、新入部員の傾向として失敗の要因を自己分析できず、ミスを極端に怖がっていると紹介。背景について「指導者から(答えを)与えられ、その課題を一生懸命にこなして育ってきたから」と説明しました。
秋山さんは部員に対して指導者の考えを押し付けず、自分で探っていけるような問いかけを粘り強く続けました。その中で、部員がみずからミスの要因を発見できるようになったと語りました。
また、体操指導歴48年の塚原千恵子さんが「女子体操指導の歴史と難しさ」と題して話しました。
この催しは今年で13回目。総合司会を務めた宮嶋泰子さん(テレビ朝日スポーツコメンテーター)は「企画を続ける中で男性の参加者が増えた」と、ここ数年の変化を報告しました。