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2019年3月23日(土)

個人の尊厳 ジェンダー平等 JCP With You

オープニングイベント 差別のない社会に

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(写真)それぞれの立場から発言されたトークセッション

 男女平等の指数が世界149カ国中110位と遅れ、根強い女性差別が残る日本。個人の尊厳が尊重される社会へともに考え行動していこうと、日本共産党はホームページに特設サイト「個人の尊厳とジェンダー平等のためのJCP With You」を立ち上げました。21日夜、東京都渋谷区でオープニングイベントが開かれ、約50人が参加しました。

 小池晃書記局長は開会あいさつで、安倍政治の大問題の一つが、自民・杉田水脈(みお)衆院議員の「LGBT(性的少数者)は生産性がない」発言容認や麻生太郎財務相のセクハラ財務事務次官擁護などに見られる差別の政治だと指摘。「今回のプロジェクトは、差別に声をあげた人を孤立させないというもの。差別のない社会、女性が生きいきと力を発揮できる社会へ、ご一緒に変えていこう」と呼びかけました。

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(写真)あいさつする小池晃書記局長

 トークセッションでは、『週刊SPA!』の女子学生をおとしめる大学ランキング特集に対して声をあげた学生の団体「VOICE UP JAPAN」の高橋亜咲さんと金子理さん、『「女子」という呪い』を出版した作家・活動家の雨宮処凛さん、国会でジェンダーや女性差別、LGBTQの問題などを取り上げてきた池内さおり前衆院議員、吉良よし子参院議員(東京選挙区候補)が報告しました。

 会場からの発言で、高月まな・党新宿区議候補は、性的少数者の当事者として「差別をなくすには政治の役割が大事。法律で明文化を求め、新宿区でもパートナーシップ制度をつくりたい」と表明。選択的夫婦別姓の訴訟にかかわる女性は、同性婚を求める人たちとの連携で多様な家族の形を広げることをめざしているとのべました。

 『週刊SPA!』元編集長のツルシカズヒコさんは「安倍政権が続いているのはメディアの力が大きい。雑誌がどうあるべきか。自分自身も変わらなければ」と発言しました。

声あげる人をサポート

VOICE UP JAPAN 高橋亜咲(あさき)さん

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 私たちの団体は人種、ジェンダー、性的指向、社会、宗教などの差別を一切しません。日本の社会問題について声を上げる人をサポートします。

 日本では“女性が子育てし男性が家族を養う”といったジェンダーの固定概念が、働きたい母親や育児したい父親を苦しめています。政治家など長時間勤務の職業は男性が多数で、将来を考える政治の場に人口の半分(の男性)しか参加していないのが現状です。

 『週刊SPA!』の編集者が、意見を言いにくい環境があり、誰かが問題があると思っても言えなかったと語っていました。現状を変えるため、声を出すことの大切さを強調したい。多くの人にとって住みやすい社会になってほしいと思います。

女性蔑視の悪影響 理解を

VOICE UP JAPAN 金子理(ただし)さん

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 私たちは「VOICE UP JAPAN」を立ち上げ、『週刊SPA!』記事の謝罪と取り下げを求めました。署名活動を始めた数日後、編集部の謝罪文が発表されました。しかし、言い方や表現の問題ではなく、女性を「お持ち帰りしやすい」などと「物」として扱う女性蔑視の根本的問題を理解していないと感じ、編集部を訪れて対話しました。

 女性を「物」として扱うのは暴力の正当化につながります。性的同意の重要さが軽視されています。記事を読んだ読者が「ヤレる(レイプできる)」と思っても不思議ではありません。メディアが及ぼす悪影響について分かってほしかった。対話した結果、同誌に性的同意についての特集記事が掲載されました。

日本には男女の非対称性

作家・活動家 雨宮処凛(あまみや・かりん)さん

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 子どもが認可保育園に落ちて仕事を辞めるのは妻。被災地でがれき撤去する男性に日当が出ても、避難所で食事作りの女性はタダ働き。日本には男女の非対称性があります。

 そこで必殺「フェミ返し」。男女を入れ替えて「保育園に落ちて仕事を辞める男性は少ないですよね」と言うことで少しずつおかしさが理解されるかなと。

 国会の場もそうですが、システムを決める立場に女性がいないのが弊害のもと。東京医科大学の問題で妊娠・子育てが女性差別の理由にされましたが、世界の女性医師の割合はOECD(経済協力開発機構)平均で45%。子育てしながら働ける仕組みがあるからです。いろんなことが放置されているのはおかしいと日々怒っています。

女性への暴力 共通認識に

前衆院議員 池内さおりさん

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 衆院議員時代に、子どもを性的欲求の対象にする「JK(女子高生)ビジネス」やアダルトビデオ出演強要、性的少数者の人権拡大について取り上げてきました。

 「女性への暴力」を所管するのは内閣府ですが、法文上明確な定義も根拠法もなく、予算も位置づけも日本は惨たんたる状況です。

 日本には女性に対する暴力の定義や共通認識がないので、たとえ女性が声を上げても個人的な問題にされてしまいます。性暴力を「性的いたずら」という言葉にかえて本質を見せない。被害に遭っても「そんな格好をしていたから」と加害を大目に見る。女性への暴力は男女間の不平等な力関係の表れだという概念を共有したい。世界の人権の水準に立って暴力の概念や法律を見直さなけれはならないと思っています。

差別促進する政治を糾弾

参院議員(東京選挙区) 吉良よし子さん

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 就職活動中、「女性採用はリスク」という面接官に対し、不採用を恐れて反論できなかった自分をいまだに悔しく思います。受け流してしまったから『週刊SPA!』の問題や財務事務次官のセクハラを許してしまったと。

 そういう罪悪感を一人ひとりが背負う必要はありません。子育てや介護を女性の仕事だとし、長時間労働を野放しにして女性差別をしやすい条件をつくっている政治こそ糾弾されるべきなんです。

 日本の男女平等は遅れていますが、世界にはお手本がたくさんあり、展望があります。ノルウェーでは国会議員の4割が女性。男性の育児休暇義務化で8割が取得するといいます。差別のない社会をつくるためにも安倍政権を終わらせましょう。


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