しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年3月20日(水)

きょうの潮流

 亡くなってから、はじめて知りました。あの派手なかっこうの裏で、いつも世界の平和を願っていたことを…▼オリンピックおじさんこと山田直稔さん。半世紀にわたって会場から選手を応援してきました。きっかけは1968年のメキシコ大会。会場全体が応援しあう姿に感動。政治介入で日本がボイコットしたモスクワ大会では現地で五輪の輪を示し、平和と友好の大切さを訴えました▼あの身なりに眉をひそめる人もいましたが、熱心な応援に背中を押された選手は多い。言葉は通じなくても心は通じると、国境をこえて親善を深めました。応援人生の心残りは自身の集大成としていた来年の東京五輪を見られなかったことでしょう▼この人も無念だったか。日本オリンピック委員会の竹田恒和会長が6月の任期満了で退任すると表明しました。本人は「若いリーダーに託す」といいますが、招致にからむ贈賄疑惑でフランス司法の捜査対象になっていることが国内外に影を落としています▼海外のコンサルタント会社に振り込まれた2億2千万円もの巨額。不正はないといいながら、それがどのような目的で使われたのか明らかにされず、潔白の根拠もあいまいなままです▼スポーツやオリンピック・パラリンピックの意義を発信するよりも不祥事や批判ばかりが目立つ東京大会。土台をゆるがす疑いが晴れなければ、後世まで金で買った五輪の汚名がついて回ることに。それで傷つくのは、すべてをかけてのぞむ選手や応援する人びとです。


pageup