しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年3月17日(日)

きょうの潮流

 「家族・親戚の16人。16人が、がんと診断された」。米下院監視・改革委員会の小委員会でルーダ委員長(民主党)にそう紹介されたのは、元陸軍兵フェイバーズさん。米軍基地による環境汚染などをテーマにした公聴会(6日)でのことです▼コロラド州ピーターソン空軍基地の近くで育ったフェイバーズさん。がんになった16人も同地域に住んでいたといいます。米軍事専門紙ミリタリー・タイムズ(電子版)によると、16人のうち10人が死亡。2人のいとこは38歳と54歳の若さでした▼基地周辺の水源から環境基準値を超える有機フッ素化合物PFOAなどの汚染が見つかっています。同じ有機フッ素化合物のPFOSとともに米軍基地では泡消火剤に使われ、発がん性などが指摘されていました▼同紙でフェイバーズさんは「5人は腎臓がんで亡くなった。汚染地域に住んでいただけなのに」と語っています▼米国防総省は401カ所の米軍基地・跡地(米国内)で同様な汚染の危険があるとしており、米国で問題になっています。公聴会ではフェイバーズさんら被害者も出席。ルーダ委員長は「(彼らは)ただ水を飲んだだけなのだ」と強調し、対策を求めました▼これは人ごとではありません。沖縄の米軍嘉手納基地周辺などでも同じ汚染が見つかっているからです。PFOSは日本では製造・使用が原則禁止。それでも自治体による基地内立ち入り調査は日米地位協定が壁になっています。ここにも従属国家の恥ずべき姿があらわれています。


pageup