しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2019年3月16日(土)

新たな「日報隠し」か

海外での共同訓練 穀田氏追及に波紋

 安保法制=戦争法が成立して以降に陸上自衛隊が参加した海外での日米・多国間共同訓練の「日報」を、防衛省が日本共産党の穀田恵二議員に3カ月遅れで提出し、わずか3件にとどまりました。南スーダンやイラクにつづく「新たな日報隠しか」との波紋が広がっています。

 穀田氏は昨年4月、防衛省に2015年10月1日~18年3月末日までの「日報」の保有状況を昨年11月末日までに提出するよう要求。しかし防衛省が穀田氏に提出したのは今月8日でした。

 岩屋毅防衛相は15日の定例会見で、国会との連絡調整をする部署の「不注意」が原因であり「重ねておわびをする」と陳謝。一方、穀田氏に提出した3件について「共同訓練は通常いちいち日報をとるものではない」「相手国があり内容を逐一知らせることは本来控えるべきこと」と発言しました。

 しかし、これはあまりに不自然です。防衛省が「日報」の存在を明らかにした演習は3件(16年度1件、17年度2件)ですが、この期間、陸自は少なくとも16年度8件、17年度9件の海外共同訓練を行っています。この中には、米海兵隊との「島しょ防衛」訓練(ドーン・ブリッツ、アイアンフィスト)など重要な訓練も含まれています。

 穀田氏は13日の衆院外務委員会で、陸上幕僚監部の内規で「日報」は活動過程や実績を検証するために「必要不可欠」と位置付けられていると強調し、日報全文と追加の徹底調査を求めました。


防衛省の対応ずさん

 「日報」問題を追及してきた「平和新聞」布施祐仁編集長

 防衛省の対応はあまりにずさんです。イラク・南スーダン日報問題の際に再発防止を誓ったのは何だったのか。安倍政権の隠ぺい体質や国会軽視の姿勢が、官僚のこうした対応に影響していると思います。

 情報提供が適切になされなければ、国会は自衛隊の活動についてチェックできず、実力組織に対するシビリアンコントロール(文民統制)が十分機能しなくなります。

 3件の共同訓練で日報を作成しているのに、他では作成していないというのは不自然。「作戦に関わることは開示できない」と黒塗りで出せばいいのに、文書の存在自体を否定するのは理解できません。


pageup