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2019年2月18日(月)

風疹から未来の子守れ

「遥かなる甲子園」24日に公演

風疹をなくそうの会 大畑茂子さん(52)

 ことしも風疹の流行が続き、今後の大きな流行が懸念されています。昨年の患者は約3千人。免疫のない女性が妊娠初期に風疹にかかると子どもに障害を起こすことがあり、当事者の親たちは「風疹はワクチンで防げる病気です。免疫のない人は接種して、社会全体で未来の赤ちゃんを守ってほしい」と訴えています。(西口友紀恵)


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 大阪府守口市の大畑茂子さん(52)は22年前、妊娠14週で風疹にかかり、三女が右耳に軽度難聴をもって生まれました。

 その後の2012~13年の大流行では患者約1万7千人、目や耳、心臓などに障害をもって生まれた先天性風疹症候群(CRS)の子どもは45人と報告されています。大畑さんはそのとき、「自分は身をもって風疹の怖さを知っていたのにずっと声をあげてこなかった」と責任を痛感。「当事者が声をあげなければ」と、同じ思いの親たちと13年に「風疹をなくそうの会」を結成し、体験を語ってきました。

 高熱と発疹で1週間入院し、退院時に「堕(お)ろして帰るやろ」と、医師に軽い口調でいわれて大きな衝撃を受けたこと。産むことも中絶することも決められず「ただ消えてなくなりたい」と駅のホームを歩いていたとき、手を引いていた次女=当時=(2)に「おかあちゃん、泣いたらあかんよ」といわれ、我に返ったこと―。

 一人でも多くの人に風疹のことを知ってほしいと、会として「遥かなる甲子園」(関西芸術座)の公演(24日、東京・国立オリンピック記念青少年総合センター)を企画し、資金を募って実現しました。(公演は入場無料。事前申し込みが必要です。詳細は同会のホームページに掲載)

 作品は、1964年に沖縄で大流行した風疹の影響で難聴などの障害をもった高校生たちが、甲子園をめざした実話に基づくもの。

 大畑さんは「私たちと同じ思いをする人を出さないために、おとなは何をすべきなのか。男女を問わずともに考え、行動につなげてもらえればと願っています」といいます。

風疹 30~50代の男性が6割以上

 風疹は、感染者のせきやくしゃみの飛沫(ひまつ)を吸い込み、発熱や発疹などが出るウイルス性の病気。インフルエンザより感染力が強く、症状が出ない場合(不顕性感染)も他の人にうつす力があります。

 患者の6割以上を占め、流行の中心になっているのは子どものころワクチンの定期接種の対象外だったなどで免疫がない30~50代の男性。厚労省は今年から39~56歳の男性を対象に、風疹の抗体検査と予防接種を原則無料で実施するとしています。また、妊婦健診で2割前後の人は免疫力(抗体価)が低いとされていることから、国立感染症研究所は、女性は妊娠前に2回ワクチンを受けることと、周囲の人の接種が重要としています。


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