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2019年2月18日(月)

きょうの潮流

 ひき肉たっぷりクスクスの包み揚げは、国を持たない民族のクルドから。ジャガイモと揚げ魚のピリ辛煮込みはカメルーンから。「記憶を宿す故郷の味―日本で生きる難民の人々を知る」集いに参加しました▼前半はフォトジャーナリスト・安田菜津紀さん、NPO法人「難民支援協会」のスタッフ、ミャンマー出身の難民によるトーク。後半は再現した故郷の料理をにぎやかに味わいました▼2017年に日本で難民申請したのは1万9628人。このうち認定された人数は? 安田さんが出したクイズの答えは20人でしたが、正解は少数。日本政府は毎年わずかな難民しか認めておらず、主要国ではけた違いに少ない▼17年度には支援協会に630人の難民が相談に訪れました。「国に帰ったら殺されてしまう」「寝る場所がない」。百円玉を握りしめてくる人も多いそうです。政治家や警察の汚職を告発したため命を脅かされているジャーナリストや、少数派の英語圏の住民が迫害を受けたという国の話も▼迫害を受けた証明を自分でしなければならない―。日本政府は難民の定義を極端に狭く解釈し、難民認定と出入国管理が分離されていないなど、改善が急がれる課題は山積しています▼支援協会は医・食・住の確保に努め、彼らの生活を助けています。しかし政府からの助成もなく、寄付で運営している状態です。紛争がなくならないかぎり新たに生まれる難民。世界平和の努力とともに、人道と共生の立場にたった支援が欠かせません。


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