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2019年2月17日(日)

きょうの潮流

 「自分は女性であると認識している人を受け入れるか否かは本学の根幹にかかわる課題」。トランスジェンダーの学生の受け入れを決めたお茶の水女子大の室伏きみ子学長が話していました▼性は単純に二分できるものではなく、そのあり方は一人ひとり異なる。にもかかわらず男女に固定され、そこから外れた少数者は差別を受けてきた。性の分化は富んでいるという事実に基づき、理解を深め、正しい知識をもって向き合うことが必要だと▼「愛する人との結婚を認めてほしい」。憲法が保障する婚姻の自由や法の下の平等が侵害されていると、全国の同性カップルがいっせいに提訴しました。同性婚の是非を正面から問う訴訟は国内では初めてだといいます▼パートナーの財産を相続できない、手術の同意者にもなれない、共同親権もないという現状。大切な相手を思う気持ちは異性のカップルと変わらないのに、幸せになる権利を国は奪っていると▼多様な性を認めて権利や制度を保障していく。それは世界の流れにもなっています。しかし、日本の政権から聞こえてくるのは性差別や偏見に満ちた発言ばかり。そのなかで、個人の尊厳を守るたたかいは独裁や強権を抑える力にもなります▼さまざまな性に門戸を開くことは当事者のみならず、すべての人びとにかかわる問題。室伏学長はそう指摘します。勇気を出して声をあげ、立ちあがる。その一つ一つの行動が、みんなが大切にされ、自由に生きられる豊かな社会をつくっていきます。


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