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2019年2月11日(月)

きょうの潮流

 16歳の若者の訴えをどう受け止めたでしょうか。世界の大企業や政府の代表が毎年1月にスイスで開くダボス会議。今年はスウェーデンの高校生グレタ・トゥンベリさんが発言しました▼「ダボスのような場所では人々は成功を語りたがる。しかしその成功は考えられないほどの代償を伴った」。利益最優先の経済活動が地球温暖化を招いたと痛烈に批判しました。グレタさんは昨年夏、気候変動対策の強化を求めて一人で自国の国会前で座り込みを始めた高校生です▼「気候のための学校スト」と銘打った座り込みは世界の若者の心をゆさぶりました。触発された高校生がいま、スイス、ベルギー、オーストラリアなど各地で次々と授業をボイコットし街頭に繰り出しています▼国連によると、今のままでは早ければ2030年にも平均気温上昇は1・5度に達し、1億1千万人が極度の干ばつにさらされます。にもかかわらず日本を含め主要国は化石燃料に依存し、トランプ米大統領は寒波の襲来に「地球温暖化が必要だ」と暴言を吐く始末です▼授業のボイコットに批判的なおとなもいるようです。しかしここは高校生たちがなぜそこまで行動するのかを考えなければいけません。地球の破滅への不安や未来を担う一員としての責任感。彼らの思いや勇気に心を寄せ、ともに力を合わせることこそ必要でしょう▼「わが家が火事になっているかのように行動してほしい」。グレタさんの訴えです。この声に真剣に応える政治が求められています。


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