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2018年9月21日(金)

主張

安倍氏総裁3選

改憲、暮らし破壊を許さない

 自民党総裁選の結果、安倍晋三氏(首相)が石破茂・元幹事長を破り、3選されました。総裁の任期は2021年までの3年間です。安倍氏は総裁選で、「次の3年間、日本の新しい国づくりに挑戦したい」と、改憲も内政・外交政策の見直しも、自らの任期中に成し遂げる考えを強調しました。期限を切ったのは自民党の党則で連続3期までと決められた総裁選での“戦術”でもありますが、それにとどまらず安倍氏が成し遂げようとしていることは危険です。改憲や暮らし破壊を許さない、国民のたたかいを強化するときです。

最大課題に改憲位置づけ

 「秋の臨時国会に自民党の改憲案を提出する。当選後の3年で改憲にチャレンジする」

 「戦後外交の総決算を行う」

 「来年の消費税引き上げは、予定通り引き上げたい」

 「(雇用や医療・年金など)社会保障改革を3年で断行したい」

 「金融緩和策の終了を、私の任期のうちにやり遂げたい」

 「防災、減災、国土強靱(きょうじん)化の緊急対策を3年集中で講じる」…

 安倍氏が総裁選中の記者会見や討論で繰り返した言葉です。総裁としての3年の任期中の課題を並べ立て、政権に弾みをつけたい思惑は明らかです。

 とりわけ危険なのは改憲です。憲法9条に自衛隊を明記するなどの改憲を、昨年5月の憲法記念日に持ち出した安倍氏は、総裁選出馬にあたって「次の国会」に自民党の改憲案を提出すると言い出しました。総裁選中には3年の任期中に国会での改憲発議や国民投票を含め、改憲実現に「チャレンジ」したいと期限を切ったのです。これまでも東京オリンピックが開かれる20年から改憲を実施したいと発言していますが、総裁として3選された安倍氏が改憲を最大の課題としたことは重大です。

 改憲派として知られる石破氏でさえ期限を切った改憲に難色を示したように、国民の間ではもちろん自民党内でも安倍氏の姿勢に全面支持ではありません。改憲派の「産経」の世論調査でも、自民党の改憲案を秋の臨時国会に提出する方針に賛成は38・8%、反対は51・1%です。自衛隊の憲法への明記は、「戦力不保持」「交戦権否認」の9条2項を空文化し、無制限の武力行使に道を開きます。安倍改憲の危険性は明白です。

 内政問題や外交問題でも安倍氏は3年間の課題を列挙しますが、来年10月からの消費税増税をはじめ、暮らしや安全を脅かす内容ばかりです。総裁選中は経済政策「アベノミクス」の手柄話ばかりでした。それでも目玉の金融緩和政策の「終了」を示唆するなど、政策の破綻は隠せません。戦後外交の「総決算」を行うならまず見直すべきは軍拡や軍事基地を日本に押し付ける日米関係です。安倍氏にその姿勢はありません。

疑惑解明、居直りに終始

 国民に危険な政策は並べ立てる一方、国民の政治不信の元凶である「森友」や「加計」問題については、総裁選中も口先で「反省」を言うだけで、事実上居直りに終始しました。国民の疑念は解消しておらず、災害などの対策とともに、臨時国会を開き、最優先で取り組むべきです。

 自民党役員人事や内閣改造を経て、引き続き政権を担当する安倍政権とのたたかいが重要です。


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