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2018年8月4日(土)

主張

杉田議員に「指導」

形ばかりの対応ではすまない

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員がLGBT(性的少数者)カップルについて「『生産性』がない」などとする人権侵害の差別的な暴言を雑誌に寄稿した問題で、自民党が同議員を「注意」し、「指導」したことをホームページ上で公表しました。先月中旬に問題が判明してから半月近くかかって、ようやく対応したものですが、杉田議員の暴言のどこがどのように間違っていたのかなどについて明確な記載はなく、同議員に対して暴言の撤回も求めていません。ことは人権と個人の尊厳にかかわる大問題です。形式的な「指導」ですまされていいはずがありません。

国民の怒りが高まる中で

 杉田議員が月刊誌『新潮45』に寄稿した論考は、日本社会で困難な状況に置かれているLGBTの人たちに「彼ら彼女らは子供を作らない、つまり『生産性』がないのです。そこに税金を投入することが果たしていいのかどうか」など侮蔑的な言葉を投げつけ、差別と偏見をあおる、悪意に満ちたものです。「生産性」を持ち出し人間の価値を決めるかのような発想は、「優生思想」にも通じるとして幅広い国民から厳しい批判を集めました。さらに自民党の二階俊博幹事長が「人それぞれ政治的立場はもとより、いろんな人生観もあり…」と暴言を容認したため、国民の怒りは一層かきたてられ、自民党本部前をはじめ全国各地に抗議行動が広がる事態となりました。

 自民党が、一議員の言動で見解を出すという異例の対応をとったのは、怒りの世論を「沈静化」させる狙いからです。しかし、発表された見解の中身は、あまりに不十分で、国民が納得できるものではありません。「(杉田議員の寄稿は)問題への理解不足と関係者への配慮を欠いた表現がある」としたものの、どう問題なのか具体的な言及はありません。同議員に「十分に注意するよう指導した」としますが、謝罪や発言撤回は求めていません。指導を受けたとされる杉田議員も「真摯(しんし)に受け止め、今後研鑽(けんさん)につとめ」るなどのコメントを出しただけです。

 性的少数者のための法整備を求めている全国組織・LGBT法連合会が、自民党見解について「どのように指導したのかが不明瞭」「引き続き厳正な対応を求める」などの声明を発表したのは当然です。

 杉田議員の暴言は、憲法が保障する人権や個人の尊厳を無視するとともに、少数者の排除につながる危険極まる考えです。議員資格が根本から疑われている問題を、形ばかりの「指導」で終わらせることは、とても許されません。

 問題発言することで知られた杉田議員を、昨年の衆院選で公認し、比例代表中国ブロックで擁立した自民党の責任は重大です。

政権与党の姿勢問われる

 杉田議員の暴言が問題になっているさなか、自民党の谷川とむ衆院議員が同性愛を念頭に「趣味みたいなもの」と発言し、これについても二階幹事長が「大げさに騒がない方がいい」と問題視しない姿勢を示したことは、一連の問題に対する自民党の無反省ぶりを浮き彫りにしています。沈黙してきた安倍晋三首相がやっと口にしたコメントも人権や多様性についての一般論で、人ごとです。人権侵害を直視せず不問に付すのが自民党の体質なのか。政権を担う党としての姿勢が厳しく問われます。


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