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2018年7月28日(土)

翁長知事 圧倒的民意に沿った「撤回」表明

辺野古埋め立て承認

 「辺野古新基地阻止のため、あらゆる権限を行使する」。2014年12月の就任以来、こう訴え続けてきた沖縄県の翁長雄志知事は、8月17日に狙われている名護市辺野古の米軍新基地建設に伴う埋め立て土砂投入を阻止するため、埋め立て承認の「撤回」という最強のカードを政府に突き付けます。4年前の県知事選以来、繰り返し示された「辺野古新基地ノー」の圧倒的な民意に沿った当然の判断です。

環境保全せず工事強行

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 知事が埋め立て承認撤回に着手する最大の根拠として挙げているのが、辺野古埋め立ての法的根拠である公有水面埋立法で事業者に義務付けている「環境保全・災害防止に十分配慮する」という基幹的な要件が満たされていないことです。

 埋め立てを承認した仲井真弘多前知事と沖縄防衛局の間で交わした「留意事項」では、埋め立て申請書の「添付図書を変更して実施する場合は、承認を受けること」としていますが、防衛局は県との事前協議を一切行わないまま、工事前に行うとしていたサンゴなどの移植を行わないなど、定められた環境保全措置を取らないまま工事を強行しています。

不都合な事実隠す

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 また、埋め立て予定地のうち、大浦湾側のC護岸建設予定区域に超軟弱地盤が発見されたことも問題視しています。県が17日付で沖縄防衛局に対し、工事の即時停止を要求した文書では、防衛局が提出した埋め立て承認願書に添付されている設計概要説明書には、地盤の強度を示すN値は「11~50」だと明記していました。

 ところが、沖縄防衛局が日本共産党の赤嶺政賢衆院議員らに開示した16年3月付の地質調査報告書「シュワブ(H25)地質調査(その2)」は、強度が「マヨネーズ並み」とされる「N値0」も示されたと明記しています。県は17日付で防衛局に送付した文書で、「護岸の倒壊等の危険性を否定することはできない」と指摘。防衛局は軟弱地盤の存在を認識しながら、この事実を隠して工事を強行してきました。

 さらに、国立沖縄高専など、辺野古新基地周辺の建物が米国防総省が定めている高さ制限に抵触することや、普天間基地の返還条件として、辺野古新基地に加え、緊急時における民間空港の利用など、埋め立て承認時には隠されていた事実が数多く判明しています。

 政府は都合の悪い情報を隠し、辺野古新基地容認の仲井真前県政との間で交わした留意事項すらほごにしてきたのです。埋め立て承認の撤回は、県民の民意に加え、法的にも当然の措置です。

県民・国民一丸となり

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 撤回に踏み切れば、その瞬間、辺野古の埋め立て工事は法的根拠を失い、停止を余儀なくされます。しかし、安倍政権は15年10月14日、翁長知事が埋め立て承認「取り消し」に踏み切った際、2週間後の同28日に取り消し処分を「執行停止」とし、翌29日には「本体工事」に着工しました。

 さらに政府は同年11月、自治体の権限を奪う強制代執行に向けた訴訟にも踏み切りました。加えて、工事停止に伴う損害賠償請求も取りざたされており、今回もなりふりかまわず対抗措置をとることは確実です。

 しかも、裁判で県の処分の是非が確定しないうちに工事を再開させる「執行停止」処分は、法治主義の破壊というべき姑息(こそく)な手段で行われました。「国」である沖縄防衛局は、「私人」が行政機関から不当な処分を受けた際の救済のための行政不服審査法を悪用して、自ら「一事業者=私人」になりすまして、同じ国(国土交通相)に対して、執行停止に向けた不服審査請求を行ったのです。

 こうした攻撃をはね返すためには、県民のみならず、国民が一丸となって、あらゆる手段を講じてたたかうことが必要です。辺野古埋め立ての是非を問う県民投票条例の制定請求署名を通じて、県民の意気は大きく盛り上がっています。

 決定的なのは、沖縄県知事選(11月1日告示、18日投票)で翁長知事の再選を勝ち取ることです。ここで勝利すれば、沖縄防衛局は軟弱地盤の改良のための設計変更承認を県に申請することが不可能となり、新基地は頓挫します。


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