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2018年7月28日(土)

翁長沖縄知事 辺野古承認撤回へ

“新基地は平和の流れに逆行”

土砂投入阻止へ近く聴聞

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(写真)記者会見で撤回表明する翁長雄志知事=27日、沖縄県庁

 沖縄県の翁長雄志知事は27日、県庁で記者会見し、同県名護市辺野古の米軍新基地建設に関する前知事の埋め立て承認を撤回する手続きを開始すると発表しました。撤回は承認後に生じた事由により処分を取り消す措置で、知事の最大の権限の一つ。撤回が行われれば、埋め立て承認は効力を失い、工事は停止することになります。(関連記事)

 翁長知事は撤回手続き開始の理由について、防衛省沖縄防衛局が全体の実施設計や環境保全対策を示すことなく工事に着工するといった事業者の義務違反や、軟弱地盤や活断層の存在の指摘など承認時に明らかにされていなかった事実の判明を挙げました。そのうえで、埋め立て承認の効力を存続させることは「公益に適合しえない」としました。

 今後、県は撤回に際して事業者である沖縄防衛局の言い分を聞く「聴聞」を実施します。8月17日にも埋め立て土砂の投入が狙われている中で、承認撤回によって埋め立て工事を阻止する構えです。

 翁長知事は会見で、南北、米朝首脳会談にふれ、「朝鮮半島の非核化と緊張緩和にむけた米朝の努力が続けられている中、20年以上も前に決定された辺野古新基地建設を見直すこともなく強引に推し進めようとする政府の姿勢は到底容認できるものではない」と強調。「平和を求める大きな流れからも取り残されているのではないかと危惧している」と述べ、新基地建設の「理由がない」と語りました。

 防衛局が事前協議もせず、県からの行政指導にも従わずに工事を強行している状況について「傍若無人」と批判。「あらゆる手法を駆使して辺野古に新基地を造らせないため全力で取り組む」と表明しました。

 一方、菅義偉官房長官は同日の記者会見で、「工事を進めていく考え方に何ら変わりはない」と述べました。

 政府は、撤回の効力を失わせる執行停止の申し立てや、取り消しを求める訴訟を起こして対抗する方針。翁長知事への損害賠償請求も視野に入れています。

 こうした政府の姿勢に対し、県民から厳しい批判がわきおこり、「国は新基地建設を断念すべきだ」との声が大きく広がっています。

 「取り消し」と「撤回」 行政行為(行政処分)の取り消しと撤回は、いずれもいったんなされた処分の効力を処分庁が職権により消滅させる行為。「取り消し」は従来の許認可に法的な瑕疵(かし)があった場合、「撤回」は処分の当初から瑕疵があったかどうかにかかわらず事後に生じた事情により将来に向かって効力を消滅させる行為とされています。


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