しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月22日(金)

きょうの潮流

 「宿題が多すぎて子どもが泣きながらやっている」。近ごろそんな話をよく聞きます。小さな体では抱えきれないような「勉強」が子どもに押し付けられています▼学力テストの点数をあげよ、小学生から英語で対話や発表ができるようにしろ、コンピューターを使いこなせるように「プログラミング教育」も。休み時間や夏休みが短くなり、学習指導要領の改定では、小学生の授業時間がさらに増やされました▼子どもの権利条約は第31条で「休息・余暇・遊び」の権利を保障しています。それが子どもの発達にとって欠かせないものだからです。国連子どもの権利委員会は31条の「総合的解説」でいいます。「子どもたちは余暇を思うままに、活動的に過ごしたり、何もしないで過ごしたりできる」▼日本の子どもたちは休み、遊ぶ権利を奪われています。その裏返しが過労死まで生み出す教員の長時間過密労働。「学力向上」のためなどと、膨大な仕事が押し付けられ、子どもと向き合う時間がないのです▼子どもが「勉強」に追いまくられる背景の一つに、おとなの側の将来への不安もあります。格差と貧困が広がるこの国で生きていくためには競争に勝ち抜けるようにしなければと。しかし、子どものしあわせのため本当に大切なのは何でしょうか▼子どもの権利委員会は「過度な競争」をなくすよう日本政府に再三の勧告を出しています。競争に勝たなくても、安心して働き、暮らせる社会をつくることはおとなにとっても切実な課題です。


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