しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月9日(土)

きょうの潮流

 「羽田マヨネーズ層」―。かつて、東京の玄関口である羽田空港の沖合はこう呼ばれていました。1970年代、空港需要の拡大に対応するため、滑走路の沖合拡張が不可避となりましたが、そこはヘドロが堆積したドロドロの底なし沼。文字通り、マヨネーズ並みの軟度だったといいます▼この地層を地盤改良するため、政府は最先端の土木技術を投入。作業員が悪戦苦闘するさまは、NHK「プロジェクトX」のテーマにもなりました。結局、3期にわたる羽田空港沖合展開事業は、計画から全面的な供用開始まで約20年を要しました▼政府が沖縄県名護市辺野古で強行しようとしている米軍新基地。埋め立て予定地に超軟弱地盤が存在していることが明らかになり、その軟度が「羽田マヨネーズ」並みだと指摘され、衝撃が広がっています。建設には大規模な地盤改良が不可欠です。その際は沖縄県知事から設計変更の承認を受ける必要があります▼政府は超軟弱地盤が存在する区域を避け、一部で護岸をつなげ、8月にも土砂を投入する方針です。辺野古の美(ちゅ)ら海に重大な打撃を与え、「反対してもむだだ」とあきらめさせる狙いです▼しかし、追い詰められ、焦っているのは安倍政権の方です。秋の県知事選で辺野古新基地に反対する翁長県政を守り抜き発展させれば、政府は設計変更の申請ができなくなり、計画は頓挫してしまいます▼「新基地は止められる」。辺野古の現地で粘り強くたたかいを続ける人たちに大きな確信となっています。


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