しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月8日(金)

きょうの潮流

 愛を結ぶと書いて、結愛(ゆあ)ちゃん。まだ、5歳でした。親から虐待を受けて、今年3月に東京・目黒区で亡くなった女の子です▼「もうおねがい ゆるして ゆるしてください おねがいします」。閉じ込められた自宅アパートからは、両親への謝罪の言葉をつづったノートが見つかりました。練習しろといわれ、懸命に覚えた平仮名で▼しつけと称する義父からの暴力。はだしのまま冬のベランダに放置されたことも。十分な食事も与えられず、死亡時の体重は5歳児平均の20キロにたいし、12キロ。両親は栄養失調状態で具合が悪くなっても病院に連れて行かず、ほうっておいたと認めています▼結愛ちゃんは、昨年まで住んでいた香川県でも虐待を受け、児童相談所に2度保護されていました。情報を引き継いだ東京の児相も2月に訪問していましたが、虐待の発覚を恐れた母親が拒み、会わせてもらえなかったといいます▼通報やSOSが何度も出され、児相もかかわりながら、なぜ救えなかったのか。児相が案件を抱え込まずに情報を共有し、他の機関と連携すべきだったと指摘する専門家もいます。毎年100人近い子どもたちが虐待死している現状を改善していくためにも、しっかりした検証が必要です▼虐待は個人や家庭だけの問題にとどまりません。出産や子育てをはじめとする、きめ細かい国や自治体の支援体制。なによりも、子どもを守る地域や社会のネットワークづくりが求められます。いちど結んだ愛が引き裂かれないためにも。


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