しんぶん赤旗

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日本共産党

2018年6月4日(月)

きょうの潮流

 梅雨の季節がやってくると、心配なのが食中毒。本紙日曜版(6月3日号)では家庭でできる予防法を紹介しています▼近年、食中毒の原因で多いのがカンピロバクターです。主に鶏の腸管内にいる細菌で、昨年の発生件数は320件。食中毒全体の3割を占めました。背景には鶏の刺し身など、生肉を出す飲食店の存在があります▼鹿児島などでは鶏肉を生で食べる習慣があり、スーパーでも売られています。聞いて驚きましたが、それは生食用の衛生基準を満たしたもの。一方、他の地域では、加熱用の鶏肉を生で出す店が後を絶たないといいます▼日曜版に登場した元食品衛生監視員の赤堀正光さんは「熱に弱いので、しっかり火を通すことが大事」と言います。食中毒の危険がある食材を知り、自分を守ることは大切です。しかし個人ができる予防には限りがあります。飲食店などが正しい知識をもち、適切に対処することが不可欠です▼食品の安全性の確保や規制監視の強化を盛り込んだ食品衛生法改定案が国会に提出されています。日本共産党の倉林明子参院議員は、実効性を確保するため、現場で指導を行う食品衛生監視員を国の責任で養成し、抜本増員をはかるべきだと求めました▼飲食店や製造業者の指導、食中毒の原因調査などを行う監視員。赤堀さんは「その使命を果たすためには人を増やし、十分な体制を確保することが不可欠」と強調します。現場の声を生かし、必要な対策を実行することこそ政治が果たすべき責任です。


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